東工大について

博物館・百年記念館

博物館(百年記念館)においては、平成29年度において空調機改修工事を予定しております。改修工事の事前準備のため、全面での休館を予定しております。詳細は以下のページをご覧ください。

博物館・百年記念館休館

大岡山の駅が地下化される以前の1987年、木造の駅舎の背後に現れた異形の建築物に、町の人々は驚き子供達は“ガンダム”の名を叫んだといいます。様々な立体形状が組み合わされた無機質な表情から、一見すると冷たい印象を覚える建物ですが、よく見ると、上空に浮かぶ屈曲したかまぼこ形のシリンダー、また東西エントランスの左右非対称の庇(ひさし)、少し離れて建ち上がる黒い円筒形(ダムウェーター)などが、多方向に動きのある有機的な外観を構成していることが分かります。それから数十年の間に、地下化された駅前の広場に面して東工大蔵前会館(TTF)が竣工、正門を通り抜けた先にはその形状から“チーズケーキ”と呼ばれるガラス張りの図書館を臨むことができ、大岡山の町とそこに面する大学キャンパスの表情は一変しました。当初、驚きをもって迎えられた百年記念館は、今では町並みの中に溶け込み、大学と町のシンボルのひとつとして存在しています。

博物館・百年記念館

博物館・百年記念館

1階:ラーニング&インフォメーション・コモンズ「T-POT」

ラーニング&インフォメーション・コモンズ「T-POT」ラーニング&インフォメーション・コモンズ
「T-POT」

百年記念館の正門側のエントランスから入ると、天井の高い1階のスペースが広がります。ここは、ラーニング&インフォメーション・コモンズ「T-POT」と呼ばれる自由度の高い空間で、学生や教職員がミーティング、イベントといった多様な活動を展開できるほか、企画展示なども行われており、大学の広報誌もここで手に取ることができます。奥の展示スペースに置かれたホログラム・インスタレーションを背景にテスト勉強や打合せをする学生、大岡山キャンパスの本館の石膏模型や卒業生の陶板作品のまわりで広報誌を手にする見学者、しばしの休息に訪れる子供連れの近隣の人々など、みな思い思いの時間をここで過ごしています。天井を見上げると、シルバーの空調ダクトとキャットウォークが巡り、中央付近には搬出入のためのクレーンが吊られています。ひとまとまりの空間の中に、実に多種多様な人、ものが混在する、不思議で楽しい風景に出会える場所です。

地階:2つの特別展示室

地階特別展示室Aの入り口地階特別展示室Aの入り口

天井の高い1階をはさんで、地階と2階には計6部屋の常設展示室があり、東工大の教育や研究の歴史的な成果について詳しく見ることができる博物館となっています。まず、地階に下りると、ガラス張りの特別展示室Aがあり、手前に陶磁器やガラス作品など数々の工芸品が並んでいるのが見えます。工業大学のイメージとはかけ離れた印象を抱きながら、入口正面にあるG・ワグネル博士の解説パネルを一読すると、近代日本に工業を興しその指導者を育てた東工大のルーツに、陶磁器やガラスなどの窯業や染織など、科学的な知識を用いた実践的な「ものつくり」が大きく位置付いていたことが理解できます。また、大きな展示ケースには、東工大を卒業した3人の人間国宝(濱田庄司、芹沢銈介、島岡達三)や河井寛次郎ほか、日本を代表する陶芸家達の作品が並びます。この他、2000年にノーベル化学賞を受賞した本学卒業生の白川英樹博士のコーナー、ロボット研究やホログラム技術(特別展示室B)をはじめとする各分野の歴史的な成果がパネルと展示物で紹介されています。

2階:吹き抜けを囲む4つの展示室

吹き抜けに面した2階展示室(c)上田宏吹き抜けに面した2階展示室(c)上田宏

2階に上がると、1階からの吹き抜けのまわりを囲むようにして並ぶ4つの展示室があります。これは、2010年に中小会議室を改修したもので、同年、グッドデザイン賞を受賞しました。

それぞれの展示室のテーマは以下のとおりです。

  • 百年記念館/篠原一男:模型や家具が並ぶガラス張りの展示室には、百年記念館建設の経緯とその設計者である建築家・篠原一男の仕事が展示され、百年記念館の模型や篠原が手がけた住宅作品を中心とした精巧な模型とスケッチを見ることができます。
  • 地球史:地球最古の時代の岩石や鉱物、化石等が部屋全体に浮かぶ展示室です。本学地球史資料館の提供による地質資料や地球史研究活動の成果が展示されています。
  • 電気~光/通信の先端研究史:東工大では1920年代末頃から今日にかけて、電波通信から光通信へと繋がる通信の先端技術研究が続けられています。壁面一杯に並ぶ真空管、古賀逸策による高安定水晶発振子、末松安晴・伊賀健一らによる光通信技術の歴史的な成果が並びます。
  • 東京職工学校創設~新制東工大の発展:1881(明治14)年に設立された東京職工学校以来、130年余りを経た東工大の沿革に関する資料や写真が展示されています。

3・4階:フェライト記念会議室とラウンジ

4階ラウンジ4階ラウンジ

3階には、天井にかまぼこ形のシリンダーの下部が貫入した形状の会議室と談話室、さらに4階に上るとシリンダー内部に設けられたラウンジにたどり着きます。折れ曲がり東西に延びるトンネル状の空間の両端からは、東側に大岡山駅、西側にキャンパス内部が見渡せ、空気の澄んだ日にはここから富士山を望めます。

百年記念館のコンセプト~創立百年記念事業

竣工当時の百年記念館周辺竣工当時の百年記念館周辺

東京工業大学百年記念館は、本学が創立100周年を迎えた1981年、「東京工業大学創立百年記念事業」の一環として計画され、1987年11月1日に開館しました。記念事業の検討はそれよりさかのぼること13年余り、1974年に開始され長きにわたり具体案が練られた結果、建設地として正門脇の土地が充てられ、また建物の設計は篠原一男教授(当時)に委嘱されることが決定しました。 本学同窓会の社団法人蔵前工業会が母体となり募金会(土光敏夫会長)が結成され、卒業生や関係企業から寄せられた基金によって事業が進められました。

当時の募金趣意書には、百年記念館建設の目的として「科学・技術に関わる本学の業績の保存と展示を行い、東工大の遠き将来に向けての一層の発展のための一大モニュメントとする」ことが高らかに謳われています。百年記念館の機能や運営について計画の具体像を検討していた当時の委員会では、この趣意書に掲げられた志を受けて、「人からの伝承」と「物からの伝承」という2本の柱をコンセプトとして掲げ、展示室、会議室、ラウンジからなる「伝承」の場が形づくられました。

博物館機能の充実~博物館設立

百年記念館開館以後、20年余りの間には、当初より常設展示室として充てられた地階の1室に加えて地階収蔵庫を、そして2010年には2階の中小会議室を展示室に改修するなど、展示機能を強化してきました。また1階のラーニング&インフォメーション・コモンズ「T-POT」では、常設展示に加え、企画展示、講演会やサイエンスカフェなどの各種催しを通して、“東工大のものつくり”に根差した博物館としての機能・活動の充実を図っています。2011年には、文部科学省より「博物館相当施設」として登録されたことをうけて、すずかけ台キャンパスS1棟の分館展示室とともに、百年記念館は「東京工業大学博物館・百年記念館」と名称を新たに生まれ変わりました。

博物館機能の充実~博物館設立

東工大の正門に面して建ち、地域に開かれた文化拠点として、各種学会・研究会やシンポジウム等が頻繁に開催される学生・教職員・学外研究者の学術交流の拠点として、またビジターセンターとして、誰でも東工大に触れることのできる博物館・百年記念館。ぜひとも足をお運び下さい。