トップ > 大学案内 > 学長からのメッセージ > 平成22年4月学位記授与式
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学長 伊賀 健一
この度学位記を授与された皆様まことにおめでとうございます。東工大の博士となられたことを誇りとして、さらにご活躍されることを祈ります。これは決して終点ではなく新しい出発点です。これまで学位論文をまとめるにあたり努力されてきたプロセスが大事です。これを活かして欲しいと思います。
これまでの授与式において、博士論文は作曲家にたとえると「交響曲第一番」のようだと申してきました。ベートーベン、ブラームス、ビゼー、マーラーなどの交響曲第一番について話してきましたが、今回はロベルト・シューマンの交響曲第一番について述べてみます。これには「春」という題名がついており、今の季節にふさわしい曲です。シューマンは交響曲のジャンルに挑戦したのですが、そこには大きな壁が立ちはだかっていました。それはベートーベンでした。何か新しいものを入れないと乗り越えられない。シューマンは交響曲に「詩」を、と考えたようです。シューマンのオーケストレーションはあまり評判は良くなかったようですが、170年が経過した今日、その評価が高まっています。 科学技術の世界では、先達があまりに偉大であると、それを突破するのには大きな苦悩があります。しかし、そこを突き抜けてこそイノベーションが生まれます。臆することなくブレークスルーを見つけることが重要です。 これから博士として世界へ、そして次なる交響曲を次々とお書きになるよう精進されることを期待しています。