東工大について

平成25年度9月学位記授与式 式辞

平成25年度学位記授与式 式辞

本日、ご来賓ならびに本学役職員・部局長のご列席のもと、平成25年度秋季卒業式を挙行できますことは大きな慶びであります。皆さんの学部卒業、ならびに大学院課程の修了を心よりお祝い申し上げます。本日、博士98名、修士127名、専門職学位7名、学士34名に学位が授与されました。

皆さんは長年に亘り、この東京工業大学で、理工学の様々な分野の研究、及び勉学に励んでいらっしゃいました。その間には思うような進捗が得られず、困難な時期もあったかもしれません。また、満足な睡眠もとらずに、何日にも何か月にも亘って懸命に挑んだこともあったかもしれません。その努力の一つ一つが、皆さんをこの学位授与式へ導いたのです。私は皆さんに、そして皆さんの努力と成果に対して心からの敬意を表します。そして皆さんにも、東工大という日本一の理工系大学の卒業生として誇りを持っていただきたいのです。学長として私は現在、2030年までに東工大を世界トップ10のリサーチ・ユニバーシティとするべく、世界に対してトップクラスの質を保証するための教育改革、そして研究力の強化に取り組んでおります。

本日この9月学位授与式に集まった皆さんの半分以上は、海外出身の学生です。世界の高等教育において、海外留学の重要性はますます高まってきています。それはつまり、学生に海外で学ぶ機会を提供することは、今や大学の不可欠な機能であるということです。理由は言うまでもなく、社会の国際化からきています。多くの社会的問題は様々な国と地域に共通したものです。二酸化炭素の排出による地球の温暖化、水の供給と管理、そして地域的な疫病の流行といった問題は、基本的には理工学の知識と国際的な協力を通じて解決できるものです。国際的な協力は、様々なバックグラウンドや専門分野の融合、そして異文化や宗教の理解を通じて達成されます。海外留学とは、若く意欲のある学生にとって、そうした適性を得るために最も適した方法といえます。本学での海外留学を成功のうちに終えた皆さん、また今後も東工大で留学を続ける皆さん全てが、持続可能な社会に向けた国際的な舞台において、理工系の専門を活かし、重要な役割を担ってくれることを願ってやみません。同時に、これから修士課程、博士課程に進学される日本人学生の皆さんが、将来世界で貢献できるように視野を広げるべく、海外留学を経験することを願っています。

海外で学び、母国を離れて生活を経験することの重要な側面の一つは、皆さんが自然と作っていくつながりです。困難な時期や達成感を共有した友人、教員、同僚、職員はかけがえのないものです。その価値は時が経つほどに増していくでしょう。友人と時折連絡をとり、互いの状況を知らせあって友情を新たにすることは、いつでも人生を豊かにしてくれるでしょう。そうしたつながりが皆さんの専門分野での活動や、キャリア形成を助けてくれることがあるかもしれません。東工大は現在、同窓会の機能を強化し、そうしたつながりを持続する強固な土台づくりをしています。ぜひ仲間入りして交流を続けてください。東工大はいつでも喜んで皆さんをお手伝いし、東工大を訪れる機会には歓迎いたします。

さて、本日は皆さんの新しい人生のスタートです。東工大で研究を継続する皆さん、高いレベルの研究スキル確立を目指し、そして将来素晴らしいリーダーと出会い、共に働いていくために、人間性に磨きをかけてください。繰り返しになりますが、世界市民となるべく海外留学を経験することをお奨めします。

そして本日東工大を去り、仕事を始める皆さん、常にポジティブでいてください。あらゆることに「自覚、熱意、挑戦」をもって臨んでください。世界のどこかで、国際社会に大きな貢献を果たす東工大卒業生となった皆さんの便りを楽しみにお待ちしております。

最後に、何より皆さんが常に健やかでありますよう、そして皆さんの将来に幸多からんことを願って、式辞といたします。

平成25年9月25日

東京工業大学長 三島良直

平成25年度学位記授与式 式辞