東工大について

平成26年度 学部 入学式式辞

平成26年度 学部 入学式

本日、ご来賓ならびに本学役職員・部局長のご列席のもと、平成26年度学部入学式を挙行できますことは本学全構成員の大きな慶びでございます。本日、学部1109名の諸君が入学いたしました。まずは皆さん、入学おめでとうございます。東工大は皆さんの入学を心から歓迎します。そして、これまで学業を支えてこられましたご家族の皆様には心から敬意を表したく存じます。
皆さんは入学試験の難関を突破し、東工大への入学を果たしました。今日から夢と希望を胸に東工大の生活を始めてほしいと思います。

さて、高等学校を卒業してこれまでの初等・中等教育を終え、皆さんは今日から高等教育課程として大学での勉学に励むことになります。ここには大きな違いがあります。これまで初等・中等教育で教わった広範な基礎知識をベースに、大学では自らが求める専門力を身につけることはもとより、倫理や教養と言った人間としての誇りと深みを身につけるために自ら積極的に学ぶ姿勢がもっとも重要です。大学は教えてもらうところではなく、自分から学び考えるところです。私は1昨年10月に本学の学長を拝命しましたが、本学に学ぶ学生、教職員のすべてに自覚と熱意と挑戦する気概を持つように語りかけています。今日から本学の学生となる皆さんはこの「自覚・熱意・挑戦」という3つの言葉を胸に刻んでほしいと思います。

新入生である皆さんに持ってほしい「自覚」とは、今日から東京工業大学という日本一の理工系総合大学の学生となったことから、自分が将来科学技術における専門性と豊かな人間性を備えて様々な形で社会に貢献する責務があり、そのために必要な確たる実力を身につける必要があることです。卒業に必要な単位を取得することが目的ではなく、卒業までにどのような力を身に付けるかを自分で考え、向上心を忘れずに常に自分自身と向き合って努力していただきたいと思います。

次に皆さんが何事にも積極的に臨むために必要なのは「熱意」です。これからの勉学に対してはもとより、課外活動も含めて常に自分にとってハードルの高い目標を設定してこれを乗り越える気概を持っていただきたいと思います。このとき超えることが出来たハードルが高いほど自分にとって大きな自信となり、次のハードルを設定する力となります。熱意を持って事に当たる人は輝いて見えるし、また人から信頼されます。人間の能力として必要とされるリーダーシップはここから身につくことでしょう。

そして皆さんには自覚と熱意を持って様々なことに挑戦して欲しいと思います。自分の能力はこのくらいと勝手に判断してはいけません。皆さん一人一人の能力は様々な経験を積むことでこれから大きく伸びていくはずです。特に重要なことは未だ自身が気づいていない能力を発見することです。したがって、いろいろな機会で「自分には出来ない、無理だ」と決めつけることがないように心がけていただきたいと思います。このような意味での挑戦のことを「リスクをとる」と言い、良い意味で人間、特に若者がもつべき能力の一つとされています。皆さんにとってこのような意味での挑戦の例として海外留学が挙げられます。なぜなら今、我が国の若者に期待されているのは国際的に活躍する気概と能力を持つことであり、特に科学技術分野を志す人材に対しての期待が大きくなっています。これは人間社会が直面している地域・文化を超えた地球規模の様々な課題の多くは科学技術によって解決されることが期待されているからです。皆さんには是非ともできるだけ早い時期に海外を経験し、異文化の中に自分を置いて新たな自分の可能性を発見していただきたいのです。「海外留学」という言葉が重ければ、夏休みに1か月程度海外の大学のサマースクールなどに参加するなど、まずはその第一歩を踏み出してほしいと思います。本学には国際感覚を身に付けるため、また海外留学に必須の語学力を高めるためのグローバル理工人育成コースが用意されているほか留学フェア等々海外を経験するためのガイダンスが多数ありますから積極的に参加しましょう。東工大から世界へ、自覚と熱意を持って挑戦しましょう。

さあ、今日から本学での生活が始まります。冒頭で申し上げましたが学業においては積極的に学ぶ姿勢がもっとも重要です。もう一度申し上げますが大学は教えてもらうところではなく、自分から学び考えるところです。この気持ちを忘れずに、一人で閉じこもることのないように一日も早く良い仲間を作り、ともに学び、語り合い、充実した毎日をすごして欲しいと願っています。

最後に、改めて入学のお祝いを申し上げ、式辞といたします。

平成26年4月2日
東京工業大学長 三島良直