東工大について

平成26年度 大学院 入学式式辞

平成25年度 大学院入学式

本日、ご来賓ならびに本学役職員・部局長のご列席のもと、平成26年度大学院入学式を挙行できますことは本学全構成員の大きな慶びでございます。本日、大学院1,797名の諸君が入学いたしました。修士課程1,521名、専門職学位課程28名、博士課程248名です。まずは、皆さん入学おめでとうございます。東工大は諸君の入学を心から歓迎します。そして、これまで学業を支えてこられましたご家族の皆様に心から敬意を表したく存じます。
皆さんは東工大あるいは各大学の学部あるいは修士を終えられ、また社会人として、東工大の修士課程あるいは博士課程へ入学されました。本日は皆さんそれぞれにとって次なるステップへのスタートラインであり、新たな気持ちで東工大の生活を始めてほしいと思います。まずは、何事にも積極的に臨み、向上心を持って自分をどこまで高めることが出来るか、そして学位取得後にどのような場所で社会貢献できるのかを見据えながら進んで欲しいと思います。

本学学部を卒業し修士課程へ進学する皆さんはすでに卒業論文レベルで築いた各自の専門性をさらに深めることが基本ですが、さらに周辺の知識も積極的に学んで専門の幅を広げること、また語学力や教養を身に付けて人間力の向上に努めるべきであると思います。本学以外の大学を卒業して本学の修士課程に入学する皆さんの中にはこれまでの専門を離れて新たな科学技術分野に挑戦される方も多いと思いますが、修士課程は2年が標準ですから自分の目指すものに向かって積極的な姿勢で進まなくてはなりません。修士終了後に就職を目指す皆さんは就職活動期間をどのように過ごすかを含めて、この2年間でどのように過ごすべきかを真剣に考えながら進んで欲しいと思います。

企業が期待する人材には、しっかりとした専門基礎力を持っていること、携わっている修士論文研究の目的と意義について理解していること、国際社会で力を発揮しようとする気概と積極的な姿勢を持っていること、そして自らの将来をどのように描いているかについてしっかりと語ることが出来ることを求めています。勿論就職試験の時期までの短時間でこれらを完璧に身につけることなど不可能ですが、その時企業が見るのは皆さんのこれらに対する姿勢です。就職は皆さんの人生のゴールではありません。東工大の大学院生としての自覚と、自分の将来を見据えて積極的に様々な能力を身につける熱意を持って、より高い目標に挑戦し続けて欲しいと思います。

修士課程修了後に博士課程に進学を考えている皆さんは、文部科学省による博士課程リーディングプログラムに採択された4つの新しい学位プログラムへの所属を積極的に目指していただきたいと思います。これらは我が国における博士課程教育がこれまで専門領域の研究に偏りすぎていたため必ずしも社会が要請する人材を輩出できていないという問題意識に基づいて専門分野の枠を超えて産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーを育成しようという事業です。産業界との連携を積極的に取り入れた修士から博士までの連続教育プログラムであり、経済的支援も充実しています。修士課程入学後半年間に募集と選抜がありますから注目していただきたいと思います。

博士課程に進学・入学する皆さんにはまず何より、従事する研究分野において世界をリードする研究を手掛けていただきたいと思います。その中で学位取得後の自分の活躍すべき場所をしっかりと考えていただきたいと思います。将来自分は国内外の大学、あるいは研究機関での世界最先端の科学技術研究に取り組み、新たな知の創出により人間社会に貢献するのか、あるいは産業界に身を置いて我が国の産業の国際競争力を高めて社会貢献を果たす技術者となるのか、あるいは会社を立ち上げる起業家になって新たな産業を興して社会に貢献するのか等、その他にもいろいろな活躍場所があるはずです。自分の長所や短所を発見し、見つめて自分が将来どこにいるべきかを在学中に意識することは非常に大事なことです。博士とはそれができる人たちでなければなりません。博士後期課程に入学する皆さん全員は昨年度本学に立ち上げたイノベーション人材養成機構において皆さんがどのようなキャリアパスを選択するか、そのために専門力以外にどんな能力が必要かのガイダンスを提供します。積極的に利用してほしいと思います。博士人材は本学が社会に向けて輩出する最高級の人材であるべきです。東工大で博士号を目指す皆さんはその自覚と熱意をもって、自らをどこまで鍛え上げられるかに挑戦してほしいと願っています。

最後に、改めて入学のお祝いを申し上げ、式辞といたします。

平成26年4月2日
東京工業大学長 三島良直