東工大について

平成25年度 学部 学位記授与式式辞

平成25年度 学部 学位記授与式

本日、ご来賓ならびに本学役職員・部局長のご列席のもと、平成25年度学部学位記授与式を挙行できますことは、本学全構成員の大きな慶びでございます。晴れて学士の学位を授与された諸君、おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。海外からの留学生の皆さんは日本での勉強と研究を無事終えられほっとなさっておられると思います。そして、本日ご列席のこれまで学業を支えておいでになりました保護者の皆様に深く敬意を表したく存じます。

今日、2014年3月26日、新しい学士が1092名誕生し、1929年以来の学部卒業者の累積数は59,022名です。将来に大きな可能性を秘める諸君が、新たな学位取得者として本学の歴史に新しいページを開くことは、大学にとりましても大きな慶びです。

今日学部を卒業し、大学院に進学する皆さん、就職して企業等で仕事に従事される皆さんはそれぞれに夢と希望を持って将来をみつめていることと思います。折しも昨年来、久々に我が国の経済に活力が感じられるようになり、また昨年9月には2020年にオリンピックとパラリンピックが東京で開催されることが決まり日本中に明るさが広がりました。3年前に東日本大震災に見舞われ、誰もが我が国の行く末に大きな不安を持ちながら災害復興を目指して人々の絆を頼りに努力してきましたが、これからはしっかりと前を向いて、未来を信じて進むことが出来るように思います。皆さんは明るく強い社会を担う若者として胸を張って前進していただきたいと思います。

さて、皆さんは学部4年間をどのように過ごしてこられたでしょうか?4年前に入学した時と比べて自分にどんな力がついたでしょうか。一人の大人としての自分の立ち位置は見えてきたでしょうか、将来自分が果たしたい役割や活躍したい場所は見えてきたでしょうか、等々、各自で振り返り、確認することも重要と思います。もちろん、皆さんは専門力、人間力においてこれからさらに自分を進化させていくべき発展途上にありますが、これまでの自分を振り返り、新たな目標を立てて、そのために必要な技量を進んで身につけていく意欲が重要です。人生の目標には当面の目標と長期的な目標があります。当面の目標は大学院に進学する皆さんにとっては修士という学位を取得することにあり、また就職して社会人になる皆さんにとっては与えられた部署で任された仕事をこなすことが出来るかということになるかと思います。このとき重要なことはそれぞれの当面の目標にどれだけ積極的に臨むかという姿勢です。言われたことをこなせばよいという受動的な姿勢であってはいけないのです。なぜなら受動的な姿勢からは次に向かうべき目標が生まれないからです。積極的に挑戦し、苦労した上でハードルを乗り越えることで自分に自信がつき、さらなる進化に挑戦できるようになります。これを実感することが何より大切であり、これまでの学部4年間ですでにこのような体験をされた方も多いと思います。一方、積極的に挑戦した結果うまくいかないこともあるでしょう。しかしそれは失敗ではなく経験として生きるはずです。そして当面の目標に積極的に取り組み続けることによって次第に長期的な目標が見えてくるはずです。皆さんにとってこれからの数年間は人生において特に重要な時期になると思います。積極性を忘れずに様々なことに取り組んでいただきたいと思います。

皆さんは日本一の理工系総合大学である東京工業大学を卒業します。皆さんのうちの多くが大学院に進学し、これまでに身に付けた様々な基礎力と人間力を大きく発展させるべく興味を持ったことには果敢に挑戦して欲しいと思います。またこれから社会人として東工大から羽ばたく皆さんには本学の卒業生であることを自覚し、周りから期待され、信頼されるべく何事にも積極的に挑戦していただきたいと思います。今人間社会が直面している地域・文化を超えた地球規模の様々な課題の多くは科学技術によって解決されることが期待されています。本学の卒業生がグローバル社会において世界のトップレベルの若者たちと力を併せて持続可能な社会を作り、守り、そして人々が平和で幸福に暮らせる環境を作り出すことに貢献してくれることを願っています。

最後に、皆さんの明るい未来を心から祈って式辞といたします。

平成26年3月26日
東京工業大学長 三島良直