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平成25年度 大学院 学位記授与式式辞

平成25年度 大学院 学位記授与式

本日、ご来賓ならびに本学役職員・部局長のご列席のもと、平成25年度大学院学位記授与式を挙行できますことは、本学全構成員の大きな慶びでございます。晴れて修士および博士の学位を授与された諸君、おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。海外からの留学生の皆さん、日本での勉強と研究を無事終えられほっとなさっておられると思います。そして、ご列席のこれまで学業を支えておいでになりました保護者の皆様に深く敬意を表したく存じます。

本日、修士の学位記を授与される修了者は1,484名であり、初めて大学院の修了者を輩出した1955年以来の累積数は47,702名になります。専門職学位記を授与される修了者は27名で、本学が2005年にイノベーションマネジメント研究科を設置してこの学位を授与する教育課程を置いて以来累積数279名となります。また、214名の博士課程修了者に博士の学位記を授与いたします。これまで本学が輩出した博士の累積数は9,575名となり、論文博士を合わせると合計13,670名に達します。将来に大きな可能性を秘める諸君が、新たな学位取得者として本学の歴史に新しいページを開くことは、大学にとりましても大きな慶びです。

本日修士あるいは博士の学位を授与された皆さんは夢と希望を持って将来をみつめていることと思います。折しも昨年来、久々に我が国の経済に活力が感じられるようになり、また昨年9月には2020年にオリンピックとパラリンピックが東京で開催されることが決まり日本中に明るさが広がりました。3年前に東日本大震災に見舞われ、誰もが我が国の行く末に大きな不安を持ちながら災害復興を目指して人々の絆を頼りに努力してきましたが、これからはしっかりと前を向いて、未来を信じて進むことが出来るように思います。皆さんは明るく強い社会を担う若者として胸を張って前進していただきたいと思います。

これから社会人としての新しい人生をスタートする皆さんにとっては長い学生生活を終え、まったく新しい環境に身を置くことになります。各自が専門分野でこれまでに身につけてきた知識と、研究という答えのない課題に取り組み、収集した実験データや調査資料に対する考察から論文を仕上げるプロセスの経験を活かして、様々な分野で活躍されることを期待しています。人間社会が直面する多くの課題がグローバル化し、世界中の様々な文化や複数の地域が関係する要因が複雑に絡むものが多いため、これらへの取り組みは様々な専門分野を持つ多様な地域・文化の人々が共同しなくてはならない究極の「答えのない課題」ということになります。語学力が重要になることを含めて広い視野と幅広い教養を持って様々な意見に聞く耳を持ち、その上で進むべき方針を合理的に判断することが必要です。新しい環境の中で、このような観点から自分を鍛えていくことは大変ではありますが、本学で身に付けた専門力と人間力をグローバルな環境で磨き、高めていってほしいと思います。

4月から博士後期課程に進学する皆さんにも今申し上げたこととほぼ同じことをしっかりと念頭に置いて自分をどこまで高めることが出来るかに挑戦してほしいと思います。ほとんどの皆さんは修士論文で取り組んだ研究テーマを発展させ、さらなる研究能力の進化に取り組むことと思いますが、その成果が将来人間社会のどこに活かされるのかという問題意識を持ってほしいと思います。さらに将来、科学技術分野の博士号を持つ人間として自分がどのような分野において社会貢献ができるのかを意識して進んで欲しいと思います。そのためには研究室以外での自分の活動も重視し、様々な分野の人たちとの交流や協働作業にも積極的に参加することや、異文化社会に自分を置き、今までに見えなかった自分を発見するための留学にも挑戦して欲しいと思います。自身の特性を理解し、それを活かすためのキャリアパスを自分自身で設計できる人間になってほしいと思います。

皆さんは日本一の理工系総合大学である本学の大学院修了生です。そのことを胸に、社会に出る人、博士後期課程に進学する人、それぞれに自覚と熱意をもって、世界を見ながら誇り高く、自分自身の新しい価値を育むための挑戦に取り組んでください。皆さんの役割は新しい活力ある社会を切り開くことです。近い将来、世界を舞台に活躍する皆さんの姿が見えることを楽しみにしています。

最後に、皆さんの明るい未来を心から祈って式辞といたします。

平成26年3月26日
東京工業大学長 三島良直