東工大について

平成27年度 学部 入学式式辞

平成27年度 学部 入学式

本日、桜満開の大岡山キャンパスにおいて、ご来賓ならびに本学役職員・部局長のご列席のもと、平成27年度学部入学式を挙行できますことは本学全構成員の大きな慶びでございます。本日、学部1,109名の諸君が入学いたしました。まずは皆さん、入学おめでとうございます。東工大は皆さんの入学を心から歓迎します。そして、これまで学業を支えてこられましたご家族の皆様には心から敬意を表したく存じます。

皆さんは入学試験の難関を突破し、東工大への入学を果たしました。今日から夢と希望を胸に本学での生活を始めてほしいと思います。本学は1881年の創立以来、今年で134年目を迎える伝統ある、そして日本一の理工系総合大学です。その長い歴史の中で、学部基礎段階でのものづくり教育を多く取り入れた理工系基礎教育と人文社会科学系を重視した教養教育、そして卒業研究以降、大学院課程にかけての世界最先端の研究を経験する専門教育を特徴として学界や産業界等に多くの優秀な人材を輩出してきました。皆さんも将来、地球規模のスケールで人間社会の平和と持続可能な発展に貢献する使命を担うことを自覚し、またその気概を育てるために積極的な姿勢でそれぞれの大学生活を有意義に過ごしてほしいと思います。

昨年秋に東工大は文部科学省による「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択されました。この事業は、積極的に国際化に取り組み、国際通用性と国際競争力の強化に取り組む大学の教育環境の整備を国が10年間支援するというものです。このような取組が必要とされる理由には表面的には日本の大学が世界大学ランキングにおいて評価が低いことがありますが、その中身として、教育におけるカリキュラムの質や各授業内容の公開度、そして成績評価の透明性等、また研究においては国際共同研究による論文数と論文の質の評価等において欧米のトップ大学、あるいはめきめきとその国際性を高めているアジア諸国の大学に比べて劣っている点があるという現実は認めざるを得ないと思います。しかし、現在東工大は創立150周年を迎えようとする2030年までに世界トップテンに入る研究大学を目指すことを目標にしています。そのためには積極的に国際化に取り組み、国際通用性と国際競争力の強化に取り組む必要があることを強く認識していたこともあり、これまですでに2年半に渡り全学的に学部・大学院の教育の質を高めるための教育改革案を練ってきました。その結果、学部・大学院を通じた教育課程の在り方、各専門分野をより系統的に学ぶことが出来るカリキュラムの構成、時代に応じた複数の分野にまたがるコースの設置など教える側からの質の向上を、そして学生の皆さんの積極的に学ぶ意欲を如何に引き出すか、そしてそのもとで確実に力をつけていくことができるために必要な教授方法等について様々な試みを導入することを進めています。このような東工大の新しい教育システムをスーパーグローバル大学創成支援事業への採択が本学への追い風として、来年4月にスタートします。そして今日本学に入学した皆さんも来年度以降新しい科目を学ぶことが出来ますし、すでに改革の理念に対応したいくつかの科目もスタートしていますから楽しみにしていただきたいと思います。本学の教育改革の狙い、内容と進捗状況については本学のホームページに特設のサイトを設けてあるので、是非見ていただきたいと思います。

さあ、今日から皆さんの新しい生活が始まります。大学で過ごすこれからの数年間は皆さんにとって非常に重要なことは言うまでもありません。この期間に培う科学技術に関する専門性は皆さんが将来活躍する場所と社会での役割を考える上での基礎になりますが、さらに人生のこの時期に出会う友人、様々な学内外での経験が人格を作っていきます。したがって自分の視野と人間としての幅を拡げるために自ら積極的に挑戦する必要があります。本学学生の課外活動は盛んでスポーツ、芸術、音楽、ボランティア活動など、皆さんにとって挑戦し甲斐のあるものがたくさんあります。さらにそのような機会の最たるものとして海外経験が挙げられます。本学は短期から長期まで様々な留学プログラムを用意しています。今までとは全く異なる環境に自分を置くことは勇気のいることではありますが、なにより皆さんは将来国際的に活躍するであろうことを考えると、今自ら挑戦することが出来る学生生活において異文化を経験することは新鮮であるゆえに非常に重要と思います。自分と向き合い、自分を再発見するために是非挑戦して欲しいと思います。そしてこのことを含めて卒業までにどのような力を身に付けるかを自分で考え、向上心を忘れずに努力していただきたいと思います。一人で閉じこもることのないように一日も早く良い仲間を作り、ともに学び、語り合い、充実した毎日をすごして欲しいと願っています。

最後に、改めて入学のお祝いを申し上げ、式辞といたします。

平成27年4月2日
東京工業大学長 三島良直