東工大について

平成27年度 大学院 入学式式辞

平成27年度 学部 入学式

本日、桜満開の大岡山キャンパスにおいて、ご来賓ならびに本学役職員・部局長のご列席のもと、平成27年度大学院入学式を挙行できますことは本学全構成員の大きな慶びでございます。本日、大学院1,836名の諸君が入学いたしました。修士課程1,530名、専門職学位課程30名、博士課程276名です。まずは、皆さん入学おめでとうございます。東工大は皆さんの入学を心から歓迎します。そして、これまで学業を支えてこられましたご家族の皆様に心から敬意を表したく存じます。

皆さんは東工大あるいは他大学の学部あるいは修士を終えられ、また社会人として、東工大の修士課程、専門職課程あるいは博士課程へ入学されました。本日は皆さんそれぞれにとって次なるステップへのスタートラインであり、新たな気持ちで東工大での生活を始めてほしいと思います。まずは、何事にも積極的に臨み、向上心を持って自分をどこまで高めることが出来るか、そして学位取得後にどのような場所で社会貢献できるのかを見据えながら進んで欲しいと思います。

修士課程、あるいは専門職課程に入学された皆さんの多くは2年後に就職して社会人になることを想定していることと思います。その場合これからの2年間は決して長くなく、学部卒業後に大学院に進学して学ぶことの意義を最大限活かすためにはしっかりした心構えが必要です。今年から企業の学部卒予定者、大学院修士課程修了予定者の採用スケデュールに大きな変更があり、この4月に修士2年に進学した人たちの就職活動は、1か月前の3月1日に解禁、そして内定がでるのは今年8月以降となりました。経団連が一昨年9月に発表した「採用選考に関する指針」によればこの採用選考時期の後ろ倒しの理由には、「在学全期間を通して知性、能力と人格を磨き、社会に貢献できる人材を育成、輩出する高等教育の趣旨を踏まえ、採用選考活動にあたっては、正常な学校教育と学習環境の確保に協力し、大学等の学事日程を尊重する」とあります。すなわち、大学院修士課程と専門職課程の場合は在学期間は2年であり、その早い時期から就職活動に身を置かず、この間しっかりとした専門基礎力を身につけ、携わる修士論文研究の目的と意義について理解し、国際社会で力を発揮しようとする気概と積極的な姿勢を身につけ、そして自らの将来をどのように描いているかについてしっかりと語ることが出来る人材に育ってほしいというのがその趣旨です。企業はそういう人材を求めているということをこの機会にしっかりと認識していただきたいと思います。東工大の大学院生としての自覚と、自分の将来を見据えて積極的に様々な能力を身につける熱意を持って、より高い目標に挑戦し続ける2年間であって欲しいと思います。

博士課程に進学・入学する皆さんにはまず何より、従事する研究分野において世界をリードする研究を手掛けていただきたいと思います。その中で学位取得後の自分の活躍すべき場所をしっかりと考えていただきたいと思います。将来自分は国内外の大学、あるいは研究機関での世界最先端の科学技術研究に取り組み、新たな知の創出により人間社会に貢献するのか、あるいは産業界に身を置いて我が国の産業の国際競争力を高めて社会貢献を果たす技術者となるのか、あるいは会社を立ち上げる起業家になって新たな産業を興して社会に貢献するのか等、その他にもいろいろな活躍場所があるはずです。自分の長所や短所を発見し見つめて、自分が将来どこにいるべきかを在学中に意識することは非常に大事なことです。博士人材は本学が社会に向けて輩出する最高の人材であるべきです。東工大で博士号を目指す皆さんはその自覚と熱意をもって、自らをどこまで鍛え上げられるかに挑戦してほしいと願っています。

さて、昨年秋に東工大は文部科学省による「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択されました。この事業は、積極的に国際化に取り組み、国際通用性と国際競争力の強化に取り組む大学の教育環境の整備を国が10年間支援するというものです。このような取組が必要とされる理由は表面的には日本の大学が世界大学ランキングにおいて評価が低いことがありますが、その中身として教育におけるカリキュラムの質や各授業内容の公開度、そして成績評価の透明性等、また研究においては国際共同研究による論文数と論文内容への評価等において欧米のトップ大学、あるいはめきめきとその国際性を高めているアジア諸国の大学に比べて劣っている点があるという現実は認めざるを得ないと思います。しかし、東工大は2012年秋に私が学長に就任して以来、創立150周年を迎えようとする2030年までに世界トップテンに入る研究大学を目指すことを目標にしています。そのためにすでに教育の質の向上と世界トップ大学との単位互換を可能とし、研究環境の改善・整備による本学の研究力の強化と国際共同研究の活性化等を通じて、積極的に国際化に取り組み、国際通用性と国際競争力の強化を行っています。大学院に学ぶ学生諸君はこのような環境下にある東工大において、ぜひとも国際感覚を身につけることを常に意識し、社会人となる暁には世界を舞台に活躍していただきたいと思います。

最後に、皆さんが健康で生き生きと、そして充実した学生生活を送ることができるようお祈りするとともに、改めて入学のお祝いを申し上げ、式辞といたします。

平成27年4月2日
東京工業大学長 三島良直