東工大について

学長就任メッセージ

自覚と熱意を持って、挑戦し続ける大学へ。

学長:三島 良直

2012年10月1日より学長に就任した三島良直が、自身の経験やこれからの東京工業大学について語ります。

中学・高校時代は、野球に打ち込む少年でした。

中高一貫校に入学をしてから、子供の頃から大好きだった野球部に入部して、野球に打ち込んできました。その頃は、勉強よりも野球の方に力が入っていたというのが正直なところです。今では考えられないですが、当時は練習中に水を飲んではいけないという決まりがあり、毎日毎日厳しい練習に打ち込んでいました。
勉強に本格的に打ち込むようになったのは高校の途中からでした。

今も野球は大好きで、日本のプロ野球やメジャーリーグはもちろんですが、河原で見かける草野球を観戦するのも大好きです。休日はナイター観戦しながら晩酌をすることが何よりの楽しみになっています。

東京工業大学史に残る劇的な年に入学しました。

私が東京工業大学に入学したのは、昭和44年です。この頃は学生運動が活発だった時期で、私が入学した昭和44年は、東京工業大学も封鎖をされている時期でした。封鎖が解かれたのは7月で、授業が始まったのは9月からでした。

入学後に選んだ専門分野は金属材料の分野で、金属工学科に入りました。これを選んだ理由は、父と祖父の二人が金属専門の大学教授だったということが大きかったと思います。

どのように自分の特色を出していくかを考えて、留学を決意しました。

学長:三島 良直

大学時代を振り返ると、授業の傍ら、家庭教師やお歳暮・お中元の配達のアルバイトをしたりして、いわゆる普通の学生だったと思います。
修士課程が修了してから、アメリカのカリフォルニア大学に博士号を取得するために留学をしました。色々な選択肢があったのですが、「人と違うことをやりたい、皆と同じではつまらない!」「英語が上手くなりたい!」という理由から、留学を決意しました。

アメリカには、約6年間滞在しました。アメリカでの就職も考えましたが、修士の時の恩師から東京工業大学に戻って来ないかというお誘いをいただきました。滅多にない貴重なお誘いだったので、帰国を決意しました。帰国してからは、助手として東京工業大学での仕事が始まりました。31歳でした。

何よりも嬉しいのは、学生の成長を実感する瞬間です。

帰国した当時は、学生と年齢が近いこともあり、ワイワイと一緒に研究をしたり、遊んだりするのが本当に楽しかったです。そんな生活を送りながら、「東京工業大学に戻ってきて良かった」「この仕事は自分にとっての天職だ」と、思うようになりました。

その中で、一番やりがいを感じる瞬間は、学生の成長を実感する瞬間です。入学した当初は、学生達は皆、頼りないものです。その学生が、論文発表や卒業していく時に、「あいつ、こんなに立派になったんだ!」というのを感じた時は、本当に嬉しいですね。論文の秀逸さもそうですが、何より努力したことが感じられるのが嬉しいですね。

自分自身が満足できる論文を書けたり、評価が高かったりするのも嬉しいですが、やっぱり学生の成長を感じた時の気持ちには勝てないですね。自分の論文は、終わりではなく、研究の経過ですが、巣立っていく学生の発表は彼らの人生にとって重要な節目ですからね。

「世界最高の理工系総合大学」への挑戦。

東京工業大学は、理工系で日本一の大学です。しかし、そこに甘えることなく、「教育」も「研究」も世界レベルを目指したいと思っています。

世界中の優秀な学生が、「東工大で勉強したい」と留学に来る。そして、東京工業大学の学生も世界に出ていく。そんな国際色豊かな大学になりたいと考えています。

そのためには、多くの課題もあります。宿泊施設等のインフラの整備といったハード面や、日本の学生の「気概」や「英語力」を養成するといったソフト面まで多岐に渡ります。

簡単に実現できることではありませんが、工夫をしながら、一つずつ課題をクリアし、「世界最高の理工系総合大学」を目指したいと考えています。

社会から必要とされ、応援される大学へ。

学長:三島 良直

21世紀において、理工系大学が果たす役割は無限に拡がっています。地球規模で課題となっているテーマは多くあります。「環境問題」「エネルギー問題」「食糧問題」「水問題」「高齢化社会、医療・介護問題」等、挙げればキリがありません。これらの課題は、全て理工系大学の研究テーマであり、解決の道標をつけるのは私たちの役割だと思っています。

これらの研究の社会的意義やどのように私たちが貢献しているのか、また貢献していくのかを伝えていくことも大切だと思っています。

そして、社会の皆さんから、「東京工業大学はいい大学だ」「社会の役に立っている」「卒業生が活躍している」といった評価をいただき、社会が応援してくれる大学になりたいと考えています。

学長就任挨拶動画