東工大について

学長就任2年 三島良直学長インタビュー

日本の東工大から、世界の東工大へ

2012年10月の学長就任から2年が経過し、任期半ばを過ぎた三島良直学長に現在の取組みや、東工大の将来について話を聞きました。

教育改革、進む

2016年4月からスタートする東工大の新しい教育はこの一年で、ずいぶん方向性が明らかになってきました。三島学長は就任直後から、教育改革に強いリーダーシップをもって取り組んでいますが、現在の進捗状況とスタートに向けての課題を教えてください。

三島良直学長インタビュー

いよいよ2016年4月に新しいシステムが始まるので、その準備に鋭意取り組んでいます。ここで重要なのは、カリキュラムや講義ナンバリングなどのシステムを変えることで改革が実現するのではない、ということです。いかに実効的にこのシステムを運用し、学生たちにやる気と将来の目標をもって東工大で学んでもらうかを意識しないといけません。この改革を本当に実のあるものにしていく作業に、教職員が一丸となって取り組んでいきたいと思います。
何より、学生諸君が楽しく、興味をもって自ら進んで学ぶ雰囲気を作っていきたいです。そのためには、カリキュラムに加えて、教え方にも工夫が必要です。新しい教育課程が全学として機能しているかを確認し、問題点があればひとつひとつ改善していくための組織の設置を予定しています。

さまざまな個が躍動するのが大学の醍醐味でもありますが、個性豊かな教員陣をまとめるのは大変なのではないでしょうか。

教員のみなさんが、これだけの短時間で、改革の方針を一生懸命理解し、実現に向けて努力していただいていることを、まず率直にうれしく思っています。できあがりつつあるカリキュラムも、非常に質が高いものです。教員のみなさんの教育にかける熱意に感謝しています。今後もまだ様々な改革が続きますが、できるだけ構成員と直に対話する機会を設け、意見交換しながら進めていきたいと思います。

東工大の新しい教育について、東工大を目指す高校生・受験生の方に、また、大学院で学びたい在学生を含む大学生の方に、伝えたいことを教えて下さい。

大学や大学院に入ること、あるいは修了して就職することが目的ではなく、学生時代に自分が何を頑張ったのか、何を身につけたのか、それを通して将来自分は社会でどんな役割を担っていくのかをつかむことが大切です。やる気がある学生は、東工大で必ずそれができるようになるはずです。

研究力の一層の強化を

教育改革ともに、昨年度採択された「研究大学強化促進事業」により、東工大の研究改革も始まっています。現在の取り組み状況と今後の展開について教えてください。

三島良直学長インタビュー

まずは、東工大の研究による社会貢献に対する考え方・目標をはっきりさせようとしています。東工大の研究は何を目指していて、その成果はどう社会に貢献するのかを示していきたいです。すでに議論をはじめており、今年度中に基本方針をまとめます。
さらに、それを実現するための研究環境づくりも重要です。「東工大ならでは」の新しい研究をどう生み出していくのか、研究組織をどうするべきか、また、先生方が研究に打ち込める時間をいかにサポートできるか、など検討課題は様々です。
例えば、異分野の交流を促進し、新しい発想を生み出すためには、どんな環境がよいのか。世界トップレベルの研究拠点をめざし、世界中から一流の研究者が集まって共同研究をスタートさせている「地球生命研究所」の今後の取り組みに注目しています。

世界でもっと東工大の存在感を出していきたい

学長は就任直後から、「東工大が創立150周年を迎えようとする2030年までに、世界トップテンに入るリサーチユニバーシティになる」という長期目標を掲げています。「世界トップテンに入るリサーチユニバーシティ」が具体的に目指すもの、その大学像を教えてください。

三島良直学長インタビュー

私が目指している将来の東工大の姿を挙げてみます。

キャンパスには目的をもって自ら色々なことを学ぼう、経験しようという雰囲気が醸成され、世界中の優秀な学生が集まってきます。世界のトップ理工系大学と単位互換や共同学位が実現し、教職員によるサポートも充実しています。
そして、今以上に世界トップレベルの研究を推進しています。世界中の優秀な研究者が東工大に集まり、東工大の先生が世界中で活躍し、交流が活発です。そのための研究環境が整備されています。

キャンパスの国際化も進んでいます。全職員が英語を話し、学内の掲示や書類も英語化されています。留学生の寮や、海外からの研究者の宿舎の整備も充実しています。
私は、キャンパスは明るくなければならないと考えています。今挙げたことが実現できたら、必ず明るくて活気のあるキャンパスになるはずです。

2030年というと先のような気もしますが、おおよそ15年ですね。少し気の長い話になりますが、世界トップテンに比肩する大学になるためには、これから15年、どのようなことが必要になるとお考えですか?

新しい教育の成果は、すぐには出ないでしょう。15年という時間で、世界トップの理工系大学との学生・研究者交流が盛んになっているかどうかは、正直わかりません。しかし、改革しない限り、そうはならないのです。目標を示して、みんなで動いていくしかありません。

さらなる1年に向けて

最後に、3年目の抱負を教えてください。

三島良直学長インタビュー

この2年で、教育改革がここまで進んだことに感謝しています。教職員のみなさんからたくさんの意見をいただき、執行部として真摯に対応してきた結果だと考えています。これから、これが本当に良い改革であるということを、証明していかなければなりません。
とにもかくにも、東工大を世界の東工大にしたいという一心です。学問はもちろん、課外活動も含め、学生たちが溌剌と目を輝かせている大学になることが目標です。教職員も、のびのびと働けるようにするにはどうしたらいいか考えていきたいです。