教育

世界配信のオンライン講義を学生と創る

世界配信のオンライン講義を学生と創る

MOOCというオンライン教育の新しい流れをご存知ですか。東工大も、教育システムを国際的な視野で刷新する取り組みの一貫として、2015年から世界中の学習者にインターネットを通じた講義の配信を始めています。この取り組みは、東工大にとって初のMOOCによる講義配信ということだけでなく、教員と学生が一緒になって制作するMOOCとして、国内外の大学からも注目されています。

「MOOC(s)」のコンソーシアム「edX」の東工大ページ

大規模オンライン講座「MOOC(s)」のコンソーシアム「edX」の東工大ページ(2015年10月)

東工大の学びをネットで世界へ

2015年10月7日から、東工大初のMOOCによる講義「Introduction to Deep Earth Science-Part1(GeoS101x)outer」の配信が始まりました。文部科学省から世界トップレベル研究拠点プログラムとして採択されている地球生命研究所(ELSI)outerの廣瀬敬所長・教授による、地球内部の構造についての英語の講義です。世界150カ国から数千名に及ぶ学生がインターネット上で、講義ビデオや東工大の学生達が作ったテキストなどを使って、この講義で学んでいます。

「Introduction to Deep Earth Science-Part1」第1週目配信画面

「Introduction to Deep Earth Science-Part1」第1週目配信画面

また、東工大のMOOC第2弾として「Modern Japanese Architecture:From Meiji Restoration to Today(ARCH101x)outer」の公開を予定しています。こちらは、1976年から東工大で教鞭をとるデイビット・スチュワート特任教授が、現代建築に息づく日本の建築の歴史や思想を学生と共に語る、大変ユニークな講義です。東工大の教員でもある著名な建築家とキャンパス内の建物も紹介する予定です。

スチュワート教授の撮影風景(本館前にて)

スチュワート教授の撮影風景(本館前にて)

学生との協働作業

MOOCによる講義は、世界中の誰でも受講ができるという特徴がある反面、字幕や資料の視認性、使う用語なども含めたアクセシビリティにも配慮する必要があります。また、学習者の集中力は10分程度と言われており、講義ビデオも学習者が継続して興味を持てるよう、いかに解りやすい内容となっているかが重要です。
コンテンツの制作は、昨年10月に設置されたオンライン教育開発室(OEDO)outerが行っていますが、その中心的な役割を担っているのはティーチングアシスタント(TA)の学生です。「東工大の学びを世界の人にもっと知ってもらいたい。」「自分達の専門分野に興味を持ってもらいたい。」「なんだか面白そう。」という学生たちが口コミで集まり、今では30名ほどが所属しています。映像の撮影や編集に興味を持っている学生、自分で授業の設計をしてみたい学生、英語が得意な学生や留学生などが集まり、それぞれチームに分かれ、ジェフリー.S.クロス教授の監修のもと、森秀樹准教授が中心となりOEDOとして共に活動しています。「Introduction to Deep Earth Science-Part1」では、廣瀬教授が講義の案を作り、TA達が講義のシナリオやスライドを判りやすく編集する、という作業を行いました。また、英語の台本も書きました。

TAとの協働による撮影の様子

TAとの協働による撮影の様子

クロス教授は、OEDOの活動について以下のようにコメントしています。

「OEDOはとても熱心に活動していて、現在は2016年春までにedXで公開する4つの講義の開発に集中しています。これらは東工大発のMOOCとして世界中に配信されます。
さらに私達は、教員が一人でも講義収録ができるシステムを準備しています。ディジタルメディアの活用によるブレンディッドラーニングの導入は、教育学習効果の向上に多大な影響を与えます。そのための教職員向けトレーニングや学生への活用促進も重要ですので、今後も様々な活動を展開していく予定です。」

ブレンディッドラーニング:集合研修とeラーニングを組み合わせ、双方のメリットを活かした研修や学習の方法

世界トップ10の大学を目指して

2016年4月、東工大の教育が変わります。「教育が変わる」ということは、「仕組み」や「内容」が変わるだけでなく、「学びの手法」や「教員」も変わっていくことを意味します。東工大のMOOCへの取り組みは、教員と学生が一緒になり、東工大の教育を良くしていく取り組みのひとつです。MOOCを通じて東工大の学びを世界へと発信していきます。