ストックホルム国際青年科学セミナーに参加して

日本人学生代表:授賞式前に伝統的な衣装に身を包む関口悠さん 日本人学生代表:授賞式前に伝統的な衣装に身を包む関口悠さん

ストックホルムを背に、19ヶ国の学生の集合写真 ストックホルムを背に、19ヶ国の学生の集合写真

物理学、化学、医学生理学、文学、平和の分野で顕著な功績を残した者に、1901年から毎年、ノーベル賞が贈られています。そして、あまり知られていませんが、20年ほど前から、このノーベル賞授賞式のタイミングに合わせ、「ストックホルム国際青年科学セミナー」がスウェーデンのストックホルムで開催されています。このセミナーではストックホルムで行われるノーベル賞の授賞式に世界中から選ばれた大学生を招待し、さまざまなノーベル賞関連行事に参加する貴重な体験をすることができます。2009年12月、東京工業大学国際開発工学専攻修士1年の関口悠さんは、他の18ヶ国からの学生と共に、日本代表2人のうちの1人としてこのセミナーに参加しました。

最終的に代表として選ばれるまでには、学内でのいくつかの面接、小論文などによる審査もあります。最終選考を通過した2人は、英語力だけでなく、ノーベル賞に関連する分野において自分の将来のキャリアをアピールし、自分が一週間にわたる行事に参加するに値する存在であることを示す必要がありました。

イベントが盛り沢山のスケジュールの中には、ノーベル博物館や、ノーベル医学生理学賞の発表会場であるカロリンスカ研究所への訪問が含まれていました。関口さんの最大の挑戦は、『弾性体の凝着』という自分の修士論文の講義を約400人のスウェーデンの高校生に向けて発表することでした。

参加者は、物理学、化学、経済学のノーベル受賞者のスピーチを傍聴するだけでなく、その後、彼らと直接話をする機会もありました。「受賞者の方々は皆、実際に会ってみると普通の方々でした。しかし自身の研究テーマに対して非常に強い情熱に心を打たれました」と、関口さんは言います。

ストックホルムの日本大使館を訪問し、大使との面会も行い、そして、このセミナーのメインイベント、スウェーデン国王カールグスタフ16世によるメダル授与が行われる授賞式と晩餐会に出席しました。

「私達は、ストックホルムのダウンタウンから数分の場所に停泊しているヨットを改造したユースホステルに滞在しました。毎日イベントに参加し、更に街を歩き、買い物などをする機会もありました。」
今回の彼が購入したお土産の中に300個のノーベル賞メダル型チョコレートがありました。でも、「いつか本物のノーベル賞メダルをスウェーデンから持ち帰りたい」と関口さんは強い想いを語ります。

写真:公益財団法人 国際科学技術財団

Tokyo Institute of Technology Bulletin No. 15 (2010年3月)