自動車部:勝利のフォーミュラ

東工大自動車部のメンバー(学内作業場にて) 東工大自動車部のメンバー(学内作業場にて)

フォーミュラSAEプロジェクトリーダーの穂積さん(右)とOBの齋藤さん フォーミュラSAEプロジェクトリーダーの穂積さん(右)とOBの齋藤さん

2009年全日本学生フォーミュラ大会で東工大のレーシングカーと作業する部員たち 2009年全日本学生フォーミュラ大会で東工大のレーシングカーと作業する部員たち

トヨタやフォードといった世界屈指の自動車メーカーの熟練エンジニアでも、自動車の設計、製造、テストの一部を手助けすることはあっても全てに関わることはありません。それどころか、これら3つのうち1つのみに忙殺されるのが普通です。ところが、東工大の自動車部のフォーミュラSAEプロジェクトのメンバーである機械工学系の学生たちは、これら全般のみならず、さらに広範な活動を行っています。

2007年、6名の部員が、レース競技用フォーミュラカーを設計する全日本学生フォーミュラSAE大会への参加を決心しました。「この大会へは初めての挑戦でした。しかし東工大が全国大会で勝つということに意味があると感じ出場することにしました。」と振り返るのは、当時のプロジェクトリーダーで、現在はOBで大学院1年生の齋藤拓也さん。「参加準備を開始するにあたって、過去に参加したことのある他大学のグループを訪ね、情報収集を行いました。」

その後2年間、ホンダやコンチネンタル・オートモーティブ社など、エンジンやタイヤ等の主要部品を提供するスポンサーから多少の物的なサポートは受けたものの、完全に自分たちの手でレーシングカーの設計と製作を行っていました。「それはとても大変な作業でした。」こう振り返るのは、4年生で現プロジェクトリーダーの穂積さん。「特に去年の夏休みは、2009年大会の準備でほぼ毎日作業をしていました。」

この競技に参加するには、審査員に対して自動車の設計、燃費、加速等の要素についてプレゼンテーションをしなければなりません。そしてそれから様々なロードテストやレースに参加します。

「私たちはこの経験から本当に多くのことを学びました。」と語る齋藤さん。「大学で理論と方法論について学びますが、企業に入れば実際に市場競争力のある製品を『作り上げ』、利益を出さなければなりません。この競技への参加で得られた経験によって、こうした考え方に親しむことができました。」実際、齋藤さんによれば、フォーミュラSAEプロジェクトメンバーであった卒業生の中には日本のトップ自動車メーカーに採用された人もいるということです。

長年の経験をバックに熱意を燃やし、9月に静岡で開催される今年の大会を心待ちにしているメンバーたち。「今、私たちは目指すべきものがはっきり分かっています。競技の全ての部門において最高の結果が出せると確信しています。」

Tokyo Institute of Technology Bulletin No. 17 (2010年7月)