マイスター:大空を舞う!

左から:宮本翔さん、門西省吾さん、大谷知弘さん 左から:宮本翔さん、門西省吾さん、大谷知弘さん

高さ10mのプラットホームからテイクオフ 高さ10mのプラットホームからテイクオフ

マイスターの皆さん マイスターの皆さん

毎年開催される「鳥人間コンテスト」で、人力飛行に挑戦する東工大サークル・マイスターを優勝に導くものとはなにか?それは、部員たちの日々の献身的な努力、パイロットの強靭な脚力と持久力、サークル代表者のマネージメント能力、そして一年の準備期間です。これらすべてがあったからこそ、2010年7月、13チームが参加したコンテストの人力プロペラ機ディスタンス部門で見事優勝を収めることができたのです。マイスターのメンバー自らが製作した人力飛行機「つばめ2010」は、京都からほど近い琵琶湖上空を18km以上、時間にして50分間の飛行に成功する快挙を成し遂げました。

「週に15時間はエアロバイクに乗り、肺活量と脚力の強化に努めました。体重も機体設計に大きくかかわる要素なので、常に一定の体重をキープしなければいけませんでした。」とパイロットの宮本翔さん(工学部金属工学科3年)はトレーニングを振り返ります。

サークル代表の門西省吾さん(工学部機械科学科3年)は、「パイロットが体力・持久力を鍛えることももちろん大事ですが、1年間トレーニングに専念し、試験飛行に毎回必ず参加することもとても重要です」と話してくれました。

それに加え、パイロットには度胸も必要です。飛行機がプラットホームから飛び立つ際、機体は高さ10mから文字通りメンバーの手で「投げ出される」ようにして発進するため、もしその際強い向かい風を受けてしまったら湖面へと墜落してしまうことも十分あり得るからです。また、飛行機が高度を維持できなくなり湖に墜落してしまった際に、疲れ切ったパイロットをすぐに救助できるように救難士がモーターボートで飛行中の機体を追います。

機体の設計や製作、試験飛行後の段階的な調整に携わるメンバーは、1年間それぞれの作業に没頭します。「特に、大会が近づいてくると、作業時間は週に30~40時間にも及びます。しかし、幸いにマイスターの75名程いるメンバーは全員積極的で、お互いを助け合いながら1年間作業をすすめています」と門西さんは語ります。

「つばめ2010」の機体の素材には、約20キロの炭素繊維複合材が使われています。費用にしておよそ100万円ですが、そのほとんどが学生たちによって賄われています。

「鳥人間コンテスト」が1977年に始まって以来、マイスターの優勝は今年で通算4度目となりました。門西さんは、'サークル代表'というバトンを大谷知弘さん(工学部機械宇宙学科2年)に託しました。大谷さんは、「マイスターの代表を務めることには大変な責任が伴います。今年の優勝を来年も引き継がなければと今からプレッシャーを感じています」と、新代表としての気持ちを明かしてくれました。

Tokyo Institute of Technology Bulletin No. 19 (2010年11月)