無線研究部:無線機のむこうに世界が広がる

2012年フィールドデーコンテストの様子 2012年フィールドデーコンテストの様子

世界中から集めたカードの数々 世界中から集めたカードの数々

コンテストに参戦中の部員達 コンテストに参戦中の部員達

部員による電子工作作品(リニアアンプ) 部員による電子工作作品(リニアアンプ)

取材の様子 取材の様子

インターネット全盛の現代、FacebookやSkype等、様々なサービスを使って世界規模のコミュニケーションが容易にとれるようになりました。そんな時代の中、アマチュア無線は過去のものとなってしまったのでしょうか?そんなことはありません。東京工業大学無線研究部には、アマチュア無線を「最も熱いコミュニケーション手段」と考える30人の部員達が熱心に活動しています。

部長の成木航さん(工学部電気電子工学科3年)は、アマチュア無線についてこう語ります。「確かにインターネットを使えば通信は簡単です。しかし、簡単過ぎて何のチャレンジもありません。それに比べて、アマチュア無線を使うとこれまで会ったことも話したこともない世界中の人々と直接交信することができます。その感動と興奮は格別なものです。」

無線研究部の活動には大きく分けると、無線通信、電子工作、そしてプログラミングの3つがあります。電子工作に取り組んでいるのは工学部電気電子工学科2年の村山正道さん(コールサイン JH1BKT)です。「部員は何でも自由に設計したり製作したりできますが、僕は無線通信回路に興味があるので新しい回路の設計をしています。プログラミングでも同じです。」

現在、アマチュア無線の人気は衰退するどころか、再びその人気は高まってきている、と成木さん(コールサインJG1OIY)は言います。最近では、無線通信のオペレーターとして働いていた人たちが、退職を機に若い頃の趣味だったアマチュア無線を再開したり、パソコンを無線機に繋いで地球の裏側にいる人たちとデジタル音声やテキスト通信のやりとりを楽しんだりする人が増え、その数は日本だけでも50万人くらいに上るのでは、と村山さんは話します。

それに、無線愛好家はとても親切だと成木さんは続けます。「無線で初めて交信する相手とはカードを交換しますが、これがアマチュア無線の大きな楽しみのひとつでもあります。」このカードは通信者がそれぞれデザインするオリジナルカードで、成木さんが世界中から集めたカードの数は1000枚以上にもなるそうです。

無線研究部では、交信相手の数を競う三種類のアマチュア無線の競技会に毎年参加しています。そのなかには、部員が24時間交代しながら、2000人もの人と交信した競技会もありました。

アマチュア無線には趣味としての魅力だけではなく、公共的に重要な役割もあると指摘するのは成木さん。自然災害時、インターネットや電話回線等の通常の通信手段が麻痺してしまっても、アマチュア無線であれば情報伝達が可能なため、非常時には大変重要な役割を担うことになります。

Tokyo Institute of Technology Bulletin No. 29 (2013年2月)