国際交流

東工大のE-JUST支援

東工大のE-JUST支援

東京工業大学は、国際貢献にも積極的に取り組んでいます。エジプト日本科学技術大学(E-JUST)は、日本・エジプト両政府の協力のもと、2009年に設立されたエジプト初の国立理工系大学院大学です。東工大は、日本式工学教育・研究を導入したE-JUSTの運営を支える主要支援大学のひとつとして、エジプトの高度人材育成の一翼を担っています。

東工大が果たす役割と貢献

E-JUSTを支援する国内大学12校のうち、東工大を含む4大学が実際に教員の長期派遣や大学運営に係る助言等を行っています。東工大が担当する専攻は、産業経営工学、エネルギー資源工学、環境工学のE-JUST8専攻中3専攻と、4大学の中で最も多く、2014年度には延べ27名もの教員を派遣しています。

また、日本の最先端の研究環境で研究する機会、そして国際感覚を養うことを目的に、各支援大学はE-JUST学生の短期・長期受入も行っています。2014年度の東工大の受入実績は、修士・博士学生13名、教員4名で、今後も継続して受入れを行っていきます。

E-JUSTキャンパス01
E-JUSTキャンパス02

E-JUSTキャンパス

環境工学専攻主催のワークショップ

環境工学専攻主催のワークショップ

エジプトでの研究指導を通じて― 教員の声

E-JUSTでの授業の様子(左端が大川原特任准教授)
E-JUSTでの授業の様子(左端が大川原特任准教授)

大川原真一 特任准教授
大学院理工学研究科化学工学専攻(2015年現在)

私がE-JUSTにかかわり、1年の1/3をエジプトで過ごすようになってから6年になります。E-JUSTを担当するまでは、エジプトといえばピラミッドしか思い浮かばず不安もありましたが、実際に指導を始めると、学生は英語が上手で明るくお喋り好き、礼儀正しく、シャイなところがある一方で授業中には活発に質問や議論をすることを好み、決められた時間以上に授業をするように頼まれるほど熱心で、E-JUSTでのインタラクティブな講義は楽しく遣り甲斐のあるものでした。

また、研究には貪欲と言えるほど積極的で、学生と教員が一緒に研究に取り組む日本式研究スタイルを取り入れた結果、そのアクティビティは今や日本の大学もうかうかできないレベルに達しつつあります。東工大に留学してくるE-JUSTの学生から、東工大生が国際性や研究に対する積極的な姿勢を学ぶなどの相乗効果も生まれており、指導教員の1人としては嬉しい限りです。E-JUSTでは、2017年の学部開講を目指していますが、規模が拡大する中でも、日本式工学教育・研究の実践を維持できるよう今後も尽力したいと思います。

東工大に留学中のE-JUST学生をエジプトから遠隔指導(PCモニター内が大川原特任准教授)
東工大に留学中のE-JUST学生をエジプトから
遠隔指導(PCモニター内が大川原特任准教授)
ベドウィンテント(アラブ遊牧民族のテント)スタイルのレストランで学生と食事会(右端が大川原特任准教授)
ベドウィンテント(アラブ遊牧民族のテント)スタイルの
レストランで学生と食事会(右端が大川原特任准教授)

学生とともに講義棟の屋上に組み上げた風力・太陽光発電機(中央が大川原特任准教授)

学生とともに講義棟の屋上に組み上げた風力・太陽光発電機(中央が大川原特任准教授)

E-JUSTで学んだこと ― 学生の声

E-JUSTの指導教員とインジーさん(左)
E-JUSTの指導教員とインジーさん(左)

エジプト日本科学技術大学
材料工学専攻博士課程
インジー・ナジー・ファメイ・ブクレイ・ゴニエム

E-JUSTには、エジプト国内にいながら日本人教員の指導が受けられること、研究に必要な先端機器や実験装置・資材が揃っていること、そして日本に行くチャンスがあることなど、他のエジプト国内の大学にはない魅力がありました。また、指導教員との距離が近いこともE-JUSTの特徴です。必要な指導や助言を適切に受けることができたおかげで、専門知識だけでなく研究方法や研究倫理等への理解も深まり、結果的に自身の総合的な分析能力も向上させることができたと感じています。

先日、東京工業大学での7か月の留学を終えてエジプトに帰国しました。日本への留学はプログラムの一環で行われているものですが、実際に日本で研究を行うことは期待以上に有意義でした。東工大では森伸介准教授の研究室に所属し、同じ研究室の学生とともに日々過ごすなかでチームワークや研究姿勢、そして生活のマナー等にも日本人ならではの気質を感じることができ、私の日本式工学教育への理解は一層深まりました。

受入研究室の前で(左から2番目がインジーさん)
受入研究室の前で(左から2番目がインジーさん)
日本留学中のE-JUST学生と(左端がインジーさん)
日本留学中のE-JUST学生と(左端がインジーさん)

これまでの経験を振り返り、E-JUSTを選択したことは私の人生の転機だと感じています。E-JUSTで学生として過ごす時間も残り少なくなってきましたが、将来は多方面で活躍するエンジニアになるとともに、エジプトはもちろん世界で活躍する理工系の学生を指導し支援できる教員になることを目指し、今後も努力していきたいと思っています。

E-JUSTとのさらなる連携強化に向けて

E-JUSTに端を発したエジプトでの本格的な国際貢献を受けて、2014年4月には東工大の4番目の海外拠点となる「東工大エジプトE-JUSTオフィス」が開所しました。また、2014年9月には、鈴木正昭東工大名誉教授が日本人として初めてE-JUST第一副学長に就任するなど、両大学の関係はますます深まり、2015年5月には東工大とE-JUSTの間で全学協定が締結されました。これは東工大とE-JUSTの将来にわたる教育・研究分野での協力関係を約束するものであり、これまでの「E-JUST支援大学」という枠組みを超えた、今後の両大学間の更なる連携や交流が期待されます。

エジプトE-JUSTオフィス拠点長・飯島教授による講義の様子
エジプトE-JUSTオフィス拠点長・飯島教授による講義の様子
東工大エジプトE-JUSTオフィスの開所式
東工大エジプトE-JUSTオフィスの開所式

東工大-E-JUST間全学協定書署名式

東工大-E-JUST間全学協定書署名式

E-JUST設立、背景や目的など、より詳細な情報については、国際協力機構(JICA)のウェブサイトouterをご覧ください。