国際交流

東工大・清華大学大学院合同プログラム


東工大修士8期生。清華大正門前で。

東工大・清華大学大学院合同プログラムとは

経済界や産業界において、日中交流を支える人材の不足が懸念されています。日中間には、言語の壁に加えて、様々な文化や習慣の違いが存在します。この違いをよく知り、将来のより良い関係づくりをリードできる人材が、未だ十分に育っているとはいえません。

東工大・清華大学大学院合同プログラム(以下、清華合同プログラム)は、東京工業大学と中国トップクラスの大学である清華大学が共同で大学院の学生教育を行うことで、専門の知識と技能をもち、さらに日本語と中国語、そして英語を駆使できる語学力を兼ね備えているだけでなく、日中双方の文化・習慣に精通した若い人材を育成することを目的として誕生しました。

2004年に開設した修士課程は、東工大と清華大の2つの学位が取得できる、ダブル・ディグリープログラムです。ナノテクノロジーコース、バイオコース、社会理工学コースの3つのコースがあります。各コース参加学生は両大学に同時に正規学生として在籍し、両大学の指導教員の指導と審査を受け、両大学からそれぞれ修士の学位を取得します。在籍年数は、東工大学生の場合2年半、清華大学生の場合は3年間です。

一方、2007年にスタートした博士課程では、3年間の共同指導の後、どちらか一方の学位を取得することになっています。

ダブル・ディグリーとは?

連携する大学間で開設された共同プログラムを修了したときに、各大学からそれぞれ学位を取得することを、ダブル・ディグリーといいます。

学生にとって、ダブル・ディグリーを取得することは、国の異なる複数の大学で学問を修めることによる、学修機会の優位性、学生個人の国際通用性の証明、国際的な就職市場における評価など、様々なメリットがあります。

また、日本全体にとっても、高等教育の国際通用性を向上させ、組織的・計画的な人材交流を推進することができるなど、とても意義深いものです。

修士課程修了までのモデルスケジュール (ナノテクノロジーの場合)

  在学期間 (日本滞在)
  在学期間 (中国滞在)
  東工大学生 清華大学生
1年目   3月 入学試験(清華大)
6月 願書受付(東工大)  
8月 入学試験(東工大) 8月 入学試験(東工大)
  9月 入学式(清華大) 講義 -研究の開始
   
2年目    
4月 入学式(東工大) 講義 -研究の開始  
8月 清華大へ移動 講義 -研究の開始 9月 東工大へ移動 講義 -研究の開始
   
3年目    
   
7~8月 東工大へ移動 講義 -研究の継続 8~9月 清華大へ移動 講義 -研究の継続
   
  3月 学位授与(東工大)
4年目    
3~4月 清華大学へ移動 講義 -研究の継続  
7月 学位授与(清華大) 7月 学位授与(清華大)
9月 学位授与(東工大)  
   

※コースにより中国滞在・日本滞在時期に違いがあります。

各コースの専攻

各コースの専攻

清華合同プログラムの実績


清華大学旧正門

清華合同プログラムには開始以来、2013年10月までに両大学から160名の学生が入学し、約100名が修了しました。本プログラムは、修士課程において双方の大学の学位を取得できるという、日本で初めてのダブル・ディグリープログラムであり、先進的な国際連携モデルです。

修了生は、日本や中国をはじめ、世界の有力企業において活躍するほか、世界トップクラスの大学や研究所において、研究の最前線を担っています。

交流を深める交歓会

清華合同プログラムでは関係者の人材交流のため、来日した清華大生と清華大学より帰国した東工大生の歓迎のためのウェルカム交歓会、帰国する清華大生と清華大学へ飛び立つ東工大生の壮行のためのフェアウェル交歓会を開催しています。


三島学長とプログラム生、修了生 (2013.8.6フェアウェル交歓会)

プログラムをご支援いただいているスポンサー企業や来賓の方々、学長をはじめ教職員、両大学のプログラム生、プログラム修了後社会で活躍している修了生と、プログラム関係者が一堂に会する貴重な機会となります。

昨今、日中間の不協和音を耳にする機会もありますが、アカデミックな分野、とりわけ清華合同プログラムにおいては、共同研究、人的交流、情報共有と、以前と変わらず深い交流が行われています。それを改めて認識することができるのが交歓会です。


企業の方も学生も真剣な顔で・・・。

清華合同プログラムにご支援いただいている企業の方々からは、切っても切れない2国間のコアとなる人材になるようにと叱咤激励をいただいています。盛り上がるプログラムとすべく、学生、関係者一同、より一層の精進を重ねて行きます。

参加学生からのメッセージ

東工大修士8期生(ナノテクノロジーコース) 尾田良晶


集合写真

中国昆明で開かれた、清華合同プログラムのナノテクノロジーコース・シンポジウム「The 2013 Tsinghua Univ.-Tokyo Tech.-Kunming U. of Sci. & Tech. Workshop」に参加させていただきました。このシンポジウムは、プログラムに参加する日中双方の学生や先生方を中心に研究成果を発表し、交流を深めるために毎年日中交互に場所を移し開かれています。今回は雲南省にある昆明理工大学も交え、3大学で開催したシンポジウムでした。ショートプレゼンテーション、ポスターセッションが行われ、先生方の高度な研究発表や、熱心に研究内容を説明する学生の姿が見られました。4日間の時間を共にすることにより、互いの研究を知ることはもちろんですが、互いの文化を理解し、意見交換もでき、とても充実した時間となりました。

また、私は合同プログラムの留学経験者でもあります。1年間を北京の清華大学で過ごし、日本と中国の双方で研究活動を行う本プログラムでは、生活・学習・語学の面で手厚いサポートを受けることができ、安心して活動できました。中国の学生も優しく、留学中に日中関係が悪化した時も、逆にこちらを心配してくれるほどでした。少しでも多くの方が興味を持っていただければ幸いです。

今後もこのプログラムと両大学の関係が発展することを期待しています。

東工大修士8期生(バイオコース) 森川裕一


清華大学での修論発表

中国という成長著しい国に身を置いて生活や研究することに魅力を感じ、日本の大学や大学院では味わえない楽しさや辛さを経験して成長したいとの想いから応募をしました。留学当初は、生活・研究・授業と全てにおいて中国語で苦労しましたが、先生や学生の親切なサポートのおかげで乗り越えることが出来ました。

昼間は中国の学生達と一緒に研究室でバイオ燃料の実験に励み、授業を受け、夜は世界中から集まる留学生の友達と飲みに行く生活を送っていました。言語や文化の壁は多いですが、それも楽しみながら自分の成長を実感できることが、留学の大きなメリットだと考えています。

このプログラムにおいて異国の地で一生懸命になることで、楽しさ、悔しさ、嬉しさを味わいました。この経験をバネに、“世界のどの場所でも必要とされる人”を目指したいと思っています。

清華大修士9期生(社会理工学コース) 周皓昕


先生方と研究室の仲間と一緒に

私は学部時代(清華大学)に東工大からの留学生と接したことがあって、彼らとの楽しい経験により、東工大へ一種の憧れを抱いていました。大学院進学の際このプログラムの存在を知って、挑戦する心構えで応募しました。

普段は授業に出席する他、ほぼ研究室で研究や勉強を進めています。先生と研究室メンバーの皆は親切にしてくれるので毎日楽しくやっています。専攻セミナーは週に一回あり、自分で発表したり他のメンバーの研究報告を聞いたりして毎回勉強になることが多いです。

来日し、留学生となった私達清華大生は、昨年まで清華大で一緒で、現在は東工大に戻っている東工大生から助けをもらっています。生活や文化などに関する相談はもちろん、休日にも時々一緒に遊びに連れて行ってくれます。国籍を超えて支え合って友情を築けることは、本当に素敵だと思います。

企業からのご支援

本プログラムは数々の企業よりご支援をいただいております。いただいたご支援は、本プログラムの学生に対する奨学金、およびプログラム運営に役立てております。


企業研究所見学ツアーに参加したプログラム生。清水寺にて

また、ご支援いただいた企業とは学生支援をはじめ、研究室や企業研究所見学ツアー、共同研究実施、シンポジウムの協力、最新の研究情報や人材交流と幅広く活動させていただいております。

たとえば2012年の企業研究所見学ツアーでは、ナノテクノロジーコースの学生約20名が関西の分析・計測機器大手メーカーを訪問し、意見交換などを行いました。また、同時に京都を訪れ、日本文化にも親しみました。

今後も、企業からのご要望に応じて、随時メニューを充実させて参ります。

本プログラムに関するお問合せ
東京工業大学清華事務室
電話 03-5734-7650
E-mail: seika@jim.titech.ac.jp

2013年12月掲載