国際交流

Women in STEM―理工系分野での女性の活躍をめざして

Women in STEM―理工系分野での女性の活躍をめざして

現在、世界では、理工系分野での女性研究者・技術者が、これまで以上に求められるようになり、東工大も、様々な国籍の女子学生が性別を意識することなく、勉強・研究に打ち込むことができる環境づくりを進めています。

本学の女子学生の比率は年々増加し、理学部化学科で12%、生命理工学部生命工学科で25%、工学部建築学科で30%となっており(2015年5月1日現在)、多くの卒業生が、民間企業や教育研究機関で研究者・技術者として活躍しています。また、男女共同参画推進センターouterを中心に全学で、女性教員や女子学生が研究しやすい・勉強しやすい環境づくりに取り組んでいます。

東工大の女子学生の在籍数は増加の傾向にありますが、世界トップの理工系大学との差は大きなものがあります。例えば、マサチューセッツ工科大学(MIT)では、学部新入生の46%が女子学生です。

東工大が世界と比肩する大学になるために、理工系分野へ進んだ女子学生や女性研究者が直面する問題に焦点をあて、より多くの女子学生が理工系分野に関心を持ち学ぶことを奨励するパネルディスカッション「Women in STEM ―理工系分野での女性の活躍をめざして」を2015年7月に開催しました。

STEMは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の総称。

会場の様子

会場の様子

理工系をめざす女子に向けたメッセージ

パネルディスカッションでは、理工系に限らず様々な分野で活躍する女性たちから、会場に集まった未来へ羽ばたく女子たちにメッセージが送られました。印象に残るフレーズをいくつかご紹介します。

「理工系分野に進む女子にとって、これほどわくわくする時代はない」(ケネディ駐日米国大使)

パネルディスカッションのゲストとして参加したキャロライン・ケネディ駐日米国大使は、「この会場にいる誰にでも、理工系分野で才能を発揮するチャンスはある」と述べ、出席した約200名の女子高校生、本学女子学生を激励しました。

キャロライン・ケネディ駐日米国大使

キャロライン・ケネディ駐日米国大使

「デンマークやフランスでエンジニアとして働いている時は、エンジニアに男女の差があることなど感じたこともなかった」(ムージュノ准教授)

セリーヌ・ムージュノ准教授(本学大学院理工学研究科機械物理工学専攻)は、デンマークのレゴ社等で製品デザインに携わってきた経験をもとに、「エンジニアは、人々が必要とする画期的なものを作り出す、社会貢献と夢にあふれた職業である」と紹介しました。さらに、理工系分野で学び、研究を行っている女性たちは男性と同じように活躍し、各自の能力や独自の視点をその仕事に活かすことができるので、多くの女性に理工系分野に進んでほしいと述べました。

ムージュノ准教授
ムージュノ准教授

ムージュノ准教授

理工系分野を学ぶ女子学生からの提案

では、東工大で学ぶ女子学生は、どうして理工系分野に進学したのでしょうか。パネルディスカッションでは動機にも言及がありました。

ボボカロノヴァさん(左)と武末さん(右)
ボボカロノヴァさん(左)と武末さん(右)

東工大に留学中のアナスターシャ・ボボカロノヴァさん(マサチューセッツ工科大学(MIT)生物学・生物工学部3年)が理工系分野に進んだきっかけは、中学生の頃に解いた「紙を使って教科書を支える場合、どのくらいの高さでバランスをとることができるか?」という問題でした。女子に科学や数学の分野に進むよう推奨することは、大学等の高等教育だけでなく、中高の教育課程においても、とても重要だと述べ、「私の場合、理系の道を勧めてもらったことが幸運でした」と話しました。

この発言を受けて、現役の女子学生ならではの目線で、自分たちの後に続く女子高生たちを勇気づけるためにはどういった方策があるかの提案もありました。

ワシントン大学への留学を経験した武末江莉さん(本学大学院総合理工学研究科物質電子化学専攻 博士課程1年)は、「女子高校生が大学入学前に、科学への関心を高めるような興味深い導入授業を受けることができたなら、大学でその分野に進もうと考えるきっかけになる」と述べました。そして、日常生活に科学技術が組み込まれていることを実感してもらうため、教員による化粧品と素材科学等をテーマとした「出前授業」を提案しました。

パネルディスカッションを聞いて

実際に会場でこのパネルディスカッションを聞いていた参加者は、どう感じたのでしょうか。

松井栞里(東京工業大学附属科学技術高等学校3年)

私は、普段の学校生活でも、男子に比べ、自信を持って自分の意見をはっきりと伝えられないことがよくあります。将来に対しても、男性の活躍が目立つ理工系分野において、女性は必要とされているのだろうか、自分のやりたい研究を思うようにやらせてもらえるのだろうか、と不安な気持ちが大きかったです。しかし、今回のパネルディスカッションを聞いて、女性ならではの考え方、女性だからこそ生み出せるアイディアが、今後の理工系分野において重要になってくることが分かりました。女性が必要とされていることを実感でき、とても嬉しく思います。

参加した女子高生(松井さんは前列左の赤いリボン)

参加した女子高生(松井さんは前列左の赤いリボン)

森本さん(所属する研究室にて)
森本さん(所属する研究室にて)

森本有香(東京工業大学工学部無機材料工学科4年)

「海外では男女混合のグループで活動することが多いのに対し、日本は男女間の交流が非常に少ないように感じる」という留学生の話を聞き、国際的な視点から理工系の女性の活躍について、改めて考え直すことができました。また、「国際的に幅広い見識を持ち、世界で活躍する女性のリーダーになってほしい」というケネディ大使の言葉を胸に刻み、東工大で学んだ経験を糧に、社会に貢献できる女性になりたいと思いました。

今後のさらなる取り組み

東工大が国際化を進め、世界トップクラスの大学になるためには、社会からの要請に真摯に応える必要があります。本学では引き続き、女子学生・女性教員にとって快適な環境づくりに取り組み、様々な形の支援を行っていきます。

パネルディスカッション「Women in STEM―理工系分野での女性の活躍をめざして」の詳しい模様は、以下の報告記事をご覧ください。

なお、このイベントは「グローバル理工系リーダー養成協働ネットワーク(TiROP)」プログラムの一環として開催されました。