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アートの重要性と科学技術(清華大学)

アートの重要性と科学技術(清華大学)

世界レベルの科学技術で知られる東京工業大学に、日本の美術史を学ぶために海外から留学してきたことを、一風変わった選択だと思う人もいるかもしれません。しかし、中国の北京にある清華大学との大学院合同プログラムに参加し、現在東工大で学ぶ劉晨さんは、即座に答えてくれました。
「成熟したプログラムを提供するトップ大学とは、科学や技術だけでなく、歴史や美術といった人間性の教育にも注力しているものです。」そして、「美術史の研究で名誉ある賞を受賞している東工大の若く優秀な教授の下で学ぶことができて、とても幸運だと思う」とも付け加えています。

この高岸輝准教授の指導のもと、劉さんは日本の桃山時代の16世紀美術史を専攻し、東京工業大学での留学期間をもうまもなく終えます。特定の国の歴史を理解するためには、その国の美術を学ぶことは有益である、と彼は話します。「桃山時代は、装飾美術の全盛期であり、贅沢に金を使った芸術であったため、特に興味深い時代です。特に人々の日常生活が描かれた屏風にはそれが顕著に表れています。」

来日前、劉さんは日本語を18ヶ月勉強しました。しかし、特に研究の始まった頃は、言語の壁は彼にとって大きなものでした。「文章を読むことは難しくありませんでした。しかし、まず自分の学習計画をまとめることは、大変な作業でした。そして今でも、論文を書くことには苦労しています。」

劉さんは大学の寮に住んでおり、そこで多くの友人が出来、また、周りには同じ中国からの留学生も多くいます。「中国の社会は非常に競争的で、学生もほとんどが学問に没頭していました。しかし東工大では、勉強の合間にサークルやスポーツなどの課外活動に参加している学生が多く、この点は中国と違うと感じました。」
しかし、1年間の留学期間を経て、気が付きました。「やはり東工大の学生も、卒業、進学が間近に迫ると中国の学生と同じように学問に身を注ぐ日々を送っていますね。」

Tokyo Institute of Technology Bulletin No. 24 (2011年11月)