大学院で学びたい方

東工大で学ぶ伝統美術(広東外語外貿大学)

今回は東工大に留学中の曹玉琪さんにインタビューしました。中国ご出身の曹さんの専門は近代の伝統美術。意外とも思える理工系大学で学ぶ芸術の面白さについて語ってくれました。

外国語研究教育センター 曹 玉琪(ソウ ギョクキ)

氏名:
曹 玉琪(ソウ ギョクキ)
留学期間:
2015年4月~2016年3月(予定)
国籍:
中国
東工大での所属:
外国語研究教育センター
母国での所属:
広東外語外貿大学

なぜ、日本に留学しようと思ったのですか?

日本や日本語に興味を持ち始めたのは、中学時代に、政府の交流プログラムで日本に1週間ホームステイしてからです。その後、広東外語外貿大学に進んで日本語を専攻し、卒業論文で岡倉天心について書いたことをきっかけに、大学院に進み日本と中国の伝統美術の研究をしたいと考えるようになりました。その研究先として、中国国内の大学院も考えましたが、大学の先生の勧めもあり、日本への留学を考えるようになりました。

留学先として理工系の東工大を選んだ理由をおきかせください。

よく聞かれる質問です。留学前に一通り日本の国立大学を調べてみました。その中で、東工大の戦暁梅先生の研究分野が私の学びたいと思っていた分野と一番方向が一致していることがわかり、東工大に行くことを決めました。実際に東工大で戦先生にお会いして、その知識の深さにはただもう感服です。

来日から4か月ほど経ちますが、東工大での生活はいかがですか。

順調に学生生活を送っています。私は日本の伝統絵画である「日本画」が、同時期に中国で生まれた「国画」にどのように影響を及ぼしたかという受容研究をしています。当たり前と言えば当たり前ですが、同じ作品を鑑賞しても、生物学や社会学等、それぞれの専門性をとおした理系学生の視点は、私がこれまで知る文系学生のものとは異なり、とても新鮮でよい刺激になっています。まさに東工大が「学際的」だと実感する瞬間でもあります。

今後の目標や将来の夢について教えてください。

現在は海外訪問学生という身分ですが、正規生として東工大の修士課程で研究を続けたいと思い、目下8月の入学試験に向けて受験勉強中です。

将来の夢は、中国に戻り大学の教員として研究を続けることです。中国は経済面で急激な発展を遂げているなかで、日本ほど芸術に対する社会的評価が高くない等、精神面の豊かさという意味ではまだ足りない部分があるのではと感じています。

技術等のハード面による経済発展も大切ですが、本当の人間の豊かさはやはり心や思想に宿るものだと思うので、その方面で知識を活かし母国の力になれればと考えています。

(2015年7月取材)

留学生の友達と江の島を訪れたときの様子

留学生の友達と江の島を訪れたときの様子(前列左端が曹さん)

戦先生からいただいた高剣父(※)の作品集。※中国南方画壇の中核を担う嶺南画派を代表する画家

戦先生からいただいた高剣父(※)の作品集
※中国南方画壇の中核を担う嶺南画派を代表する画家