研究

東工大ニュース

世界初の層状単一配向性を持つ楕円構造

2011.11.29

要約

東京工業大学(赤津隆准教授、安田榮一名誉教授)と帝人株式会社は、2006年より高導電性カーボンナノファイバー(CNF:Carbon Nano Fiber)の共同開発に取り組んできましたが、このたび、黒鉛結晶が層状に単一配向した楕円形状の断面を持つCNFを開発しました。このような形状を持つCNFの開発は、世界で初めてのこととなります。

研究の内容,背景,意義,今後の展開等

概要

東京工業大学(赤津隆准教授、安田榮一名誉教授)と帝人株式会社は、2006年より高導電性カーボンナノファイバー(CNF:Carbon Nano Fiber)の共同開発に取り組んできましたが、このたび、黒鉛結晶が層状に単一配向した楕円形状の断面を持つCNFを開発しました。このような形状を持 つCNFの開発は、世界で初めてのこととなります。

この高導電性CNFは、直線性の高い構造で、その繊維長は20?以上と従来のCNFの10倍以上にも及び、電気抵抗が従来より30~40%低いことが特徴 となっています。また、製造工程において触媒を一切使わないため、高純度のCNFを製造することが可能であり、さらに製法としては、世界で初めて化学繊維 の一般的な製造方法である溶融紡糸法を用いているため、既存設備の活用が可能であるなどから、製造コストを低く抑えることも期待されています。

一方、このたびの開発により、このCNFの低い電気抵抗性が、その繊維の長さにのみ起因するのではなく、黒鉛結晶が層状に単一配向するという高度に発達し た構造に起因していることも推察することができました。また、数層のグラフェン(*)がループを形成して繊維表面から高密度に露出している(下図参照)こ とから、化学反応しやすいという特徴を有しており、従来の炭素繊維では困難とされていた、樹脂などとの結合性向上や液状物質内での高い分散性を期待するこ とができます。

(*)
グラフェン: 炭素原子が蜂の巣状に結合し、六角形の網目構造を形成した炭素原子シートのこと。

今後は、このような特性を活かし、電気自動車向けのリチウムイオン電池をはじめとする二次電池・キャパシタなどの電極材料や電極添加剤、樹脂添加剤、燃料電池ガス拡散層などの電池用途や樹脂補強材など、多様な用途に向けて市場展開を進めていきます。

世界初の層状単一配向性を持つ楕円構造

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