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東工大ニュース

火星の水の起源を突き止めた ー地球型惑星の"水"はどこからもたらされたのかー

2012.11.20

  • 火星の"初生水"の高精度水素同位体分析に世界で初めて成功
  • 火星の水は、地球と同様、火星-木星軌道間にある小惑星帯が起源
  • 地球型惑星の水の起源の同定は、我々生命の起源に新たな知見を提示

 

 東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻の臼井寛裕助教らは、約45億年前の火星誕生時に火星マントルに取り込まれた"水"(初生水)が地球と同様、現在は火星-木星軌道間に存在する小惑星帯を起源とすることを突き止めた。臼井助教は米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターなどと国際共同プロジェクトを立ち上げ、二次イオン質量分析計を用いた低汚染での水素同位体分析法を開発、二次的影響の最も少ない始原的な火星隕石に含まれる火星初生水の高精度水素同位体分析に世界で初めて成功した。

 水素同位体は、太陽系内で大きな同位体組成変動を持ち、水の起源を同定する上で優れた化学的トレーサーの一つだが、二次的変質や分析時の汚染の影響を受けやすいため、これまで信頼性の高い分析が行われてこなかった。火星・地球を代表とする地球型惑星の水の起源である小惑星は同時に多くの有機物を含み、「我々生命が太陽系内で"いつ"、"どこから"そして"どのように"もたらされたのか」といった生命の起源に関する根源的な問いに今後新たな知見がもたらされることが期待される。

 この成果は 12月1日付の欧州科学誌「Earth & Planetary Science Letters」に掲載される。また11月19日付でNASAもニュースリリースする。

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