研究

東工大ニュース

新しいニュートリノ振動の存在を99.9%の確からしさで確認~ダブルショー実験の最新の結果から~

2012.06.12

要約

 ダブルショー(Double Chooz)実験は、フランスのショー(Chooz)原子力発電所から発生するニュートリノを捕らえ、新しいニュートリノ振動を探索し、θ13(シータいちさん)と呼ばれるニュートリノ混合角を測定する実験です。

 今回の成果は、この実験から、データ量をほぼ2倍にし、解析方法を改良し、99.9%の確からしさで新しいニュートリノ振動の存在を確かめ(前回の発表では94%の確からしさ)、ニュートリノ振動角をより精度よく測定したことです。

研究の内容,背景,意義,今後の展開等

ダブルショー(Double Chooz)実験は、フランスのショー(Chooz)原子力発電所から発生するニュートリノを捕らえ、新しいニュートリノ振動を探索し、θ13(シータいちさん)と呼ばれるニュートリノ混合角を測定する実験です。
今回その最新の成果が2012年6月3日から京都で開催された「第25回ニュートリノ・宇宙物理国際会議」(http://neu2012.kek.jp/outer)に於いて、本学の理工学研究科・基礎物理学専攻の石塚正基により発表されました。 
ダブルショー実験は、世界に先駆け、原子炉ニュートリノ実験で有限のθ13の兆候を発見し、2011年11月にその成果を発表しました。今回の成果は、この実験から、データ量をほぼ2倍にし、解析方法を改良し、99.9%の確からしさで新しいニュートリノ振動の存在を確かめ(前回の発表では94%の確からしさ)、ニュートリノ振動角をより精度よく測定したことです。

  その結果θ13は、

  と測定されました

上:原子炉ニュートリノのエネルギースペクトル.データ点は測定値、
点線は振動がない場合.実線は振動がある場合の最適値.
中:データと振動がない場合の比.
下:データと振動がない場合の差.

 この会議では日本の加速器実験T2K、中国や韓国の原子炉ニュートリノ実験からもθ13の測定が報告され、全て矛盾のない値が得られています。この学術的意味は非常に大きく、θ13が比較的大きかったため今後CP(電荷-パリティ)非保存の効果の測定や、質量の順番の測定などの可能性があることを示しました。

ダブルショーとは、フランス、ドイツ、日本、アメリカ、スペイン、ロシア、ブラジルの国際共同実験です。

ダブルショー日本グループは下記の大学から研究者が参加しています。 
東北大学、東京工業大学、首都大学東京、新潟大学、神戸大学、東北学院大学、広島工業大学

本件に関するお問い合せ先
久世 正弘 准教授、石塚 正基 助教
大学院理工学研究科 基礎物理学専攻
電話: 03-5734-2080   FAX: 03-5734-2745
E-mail: kuze@phys.titech.ac.jp
URL: http://www-kuze.phys.titech.ac.jp/outer