研究

東工大ニュース

蛍光性の「殻」をもつ新型ミセルを作製

2013.01.25

【概要】
 東京工業大学資源化学研究所の吉沢道人准教授と近藤圭大学院生らは、蛍光を発するカプセル型のミセルを開発した。今回の研究は、ミセルの構成成分として、蛍光性でパネル状のアントラセンを含む"湾曲型"の両親媒性分子を開発することで実現した。この新型ミセルは、ナノレベルでサイズ制御が可能で、色素分子を内包し、特異な蛍光性能を備えているため、新しい有機発光性材料(有機EL や蛍光センサー・プローブ、蛍光塗料など)への応用が期待される。
 湾曲型分子は、水中でパネル部位でのπ-スタッキング相互作用により集合して、2ナノメートル(nm)サイズの球状ミセルを形成する。このミセルは蛍光性の「殻(=シェル)」をもつ分子カプセルとして機能し、色素分子を選択的に内包できる。これに紫外光を照射することで、ミセル骨格から色素への高効率的なエネルギー移動による強い蛍光を発した。
 これまでのミセルの大部分は、疎水性のアルカンに親水性の官能基を連結した"ひも状"の両親媒性分子からなり、水中で疎水性相互作用により球状集合体を形成していた。そのため、それらのミセルは幅広いサイズの混合物として存在し、強い蛍光性をもたない。これに対して新型ミセルは、湾曲型の両親媒性分子のπ-スタッキング相互作用により厳密にサイズ制御され、また、アントラセンの「殻」に起因した特異な蛍光性能を備えている。
この研究成果は、最先端・次世代研究開発支援プログラム(内閣府)の支援によるもので、ドイツ化学会雑誌「Angewandte Chemie International Edition」のオンライン版に、平成25 年1 月23 日付けで掲載された。

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