研究

東工大ニュース

地球寒冷化を引き起こす大規模火山噴火の特定が可能に

2013.02.13

【概要】
東京工業大学大学院総合理工学研究科の服部祥平助教、吉田尚弘教授、同理工学研究科の上野雄一郎准教授らの研究グループは、大規模火山噴火の際に成層圏での大気化学反応により硫酸の硫黄安定同位体比が変化するメカニズムの解明に成功した。これにより氷床の硫酸の硫黄同位体記録を用いた火山噴火の規模や気候への影響の定量的な復元への展開が期待される。
大規模な火山噴火は成層圏に噴煙が直接達して、硫酸エアロゾル層を形成し、太陽光を遮るため地球全体の気候に影響を与える。しかし、古代の火山噴火の観測データが無いため、その影響を見積もることは困難だった。南極などの極域に残された硫酸の硫黄同位体比の記録は大規模火山噴火に対応し特徴的な異常値を示すことから、その有用性が注目されていたが、これまでどのような過程を経て同位体異常が決定されるのかは不明だった。
同研究グループは大気中で生じる光化学反応が硫黄の存在度を変えることに着目し、その過程をコペンハーゲン大学、上智大学、東京大学と共同で解明した。そして火山噴煙における化学反応を模擬したモデルによって、過去の大規模噴火の硫黄同位体記録を初めて再現した。この成果は近く、米国科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA」電子版に掲載される。

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