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「益子町名誉町民章受章記念 島岡達三展 東京工業大学博物館所蔵 中澤コレクション」開幕

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公開日:2013.04.23

4月21日より、益子陶芸美術館にて、故島岡達三氏(1919--2007)の益子町名誉町民章受章を記念した展覧会が開幕しました。

テープカットの様子

 島岡達三氏は1941年東京工業大学窯業学科を卒業、太平洋戦争の終了後の1946年に戦地ビルマより帰還し、予てより入門を願い出ていた濱田庄司に師事、生涯を益子の地で過ごし、数多くの陶芸作品を世に送り出しました。濱田の薫陶を受け、民藝の思想を受け継ぎ、同じ益子の土を用いながらも自らの作風を確立すべく試行錯誤を続け、組紐師であった父米吉の組紐を転がしてできる縄目に白土を埋め込む"縄文象嵌"技法を生み出しました。また地釉、塩釉、窯変、緋襷、流文、彩色、刷毛目など多彩な釉薬、技法を駆使しながら自らの表現世界を創りあげ、1996年には重要無形文化財保持者(民藝陶器・縄文象嵌)に認定されました。そして、2007年12月に逝去され7回忌を迎える今年、益子町名誉町民章を授章されました。

 この度の展覧会には、東工大が所蔵する島岡作品より58点が出品されています。これらは、2000年、島岡氏の同級生で親友であった故中澤三知彦氏が長年求め続け愛用した品々より110点を東工大に寄贈いただいた一大コレクション"中澤コレクション"より選りすぐられた作品です。会場には、技法毎に分かりやすく陳列された品々に、日用の器として収集されたコレクションの特徴が酒器や茶碗といった器の種類や大きさにも表れた興味深い展示となっています。収蔵する東工大においても、これだけの数量が一堂に陳列する機会は限られることからも、大変貴重な展覧会といえます。

島岡達三展

 4月20日には名誉町民章の授与式に続いて、展覧会のオープニングセレモニーが盛大に催されました。セレモニーでは、益子町の町村合併50周年を記念して2004年に島岡氏が制作した縄文象嵌と草花文が施された陶製大太鼓の演奏に続き、大塚朋之益子町長の挨拶、主催者紹介の後、特別協力として東京工業大学を紹介いただきました。大学を代表して、大谷清理事・副学長(博物館長)が挨拶に立ち、東京職工学校に窯業科を設立したG・ワグネル、後に嘱託講師として招かれた板谷波山、波山の影響を受けて陶芸を志した河井寛次郎、濱田庄司等、島岡達三氏へと連綿と繋がる東工大の窯業・陶芸の伝統と、今日まで続く大学と益子との縁に感謝の意が述べられました。

 この度の機会は、昨秋"東工大に益子をもってくる"趣旨で開催した特別展「東工大で益子焼」において培われた大学と町との関係がきっかけとなり、継続的な交流・対話の一環として企画されたものです。この展覧会を機に、新緑薫る益子へ、足を運んでいただければと思います。

会 期 : 4月21日(日) ~ 7月21日(日)
会 場 : 益子陶芸美術館
主 催 : 益子町文化のまちづくり実行委員会、益子陶芸美術館、下野新聞社
後 援 : 栃木放送、エフエム栃木、とちぎテレビ、NHK宇都宮放送局
特別協力 : 東京工業大学

東京工業大学博物館についてはこちら ⇒ http://www.cent.titech.ac.jp/

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