研究

東工大ニュース

層状コバルト酸化物の高イオン伝導度の原因を解明

2013.06.26

要点

  • 層状コバルト酸化物PrBaCo2O5+δにおける酸化物イオンの高速移動経路を可視化
  • 酸化物イオンの高速移動経路が、プラセオジム(Pr)とバリウム(Ba)の規則化により生じる理由を原子スケールで解明
  • 新しいイオン伝導体の開発や固体酸化物形燃料電池などの性能向上につながる

概 要

 東京工業大学理工学研究科の八島 正知教授ら及び英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのキルナー ジョン教授らの研究グループは、層状コバルト酸化物の「プラセオジム・バリウム・コバルト酸化物(PrBaCo2O5+δ)」が高い酸化物イオン伝導度を持つ仕組みを解明した。従来、陽イオンが不規則に配列した方が酸化物イオン伝導度は高いとされているにもかかわらず、規則配列している「PrBaCo2O5+δ」が高イオン伝導度を示していた謎を、結晶構造(原子配列)と核密度の空間分布を中性子回折などで詳細に解析して解き明かした。
 この成果は酸化物イオン伝導度が高いイオン伝導体の設計に新しいコンセプトを示すもので、新しいイオン伝導体の開発につながる。高いイオン伝導度を示すイオン伝導体は、空気中から酸素を効率良く取り込めるため、固体酸化物形燃料電池などの性能向上と研究開発の加速が期待される。 研究は東京工業大学の八島 正知教授らが、英国 インペリアル・カレッジ・ロンドンのキルナー ジョン(Kilner John)教授とスペイン マドリード・コンプルテンス大学(共同研究時はインペリアルカレッジロンドンのポスドク研究員)のペーニャ フアン (Peña Juan)助教と共同で行った。また、この成果は米国化学会の学術誌「ケミストリー・オブ・マテリアルズ(Chemistry of Materials)」のオンライン版に掲載され、冊子版は印刷中である。

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