研究

東工大ニュース

スマートグリッド管理システム"Ene-Swallow"

2013.07.08

太陽電池などの自然エネルギーを一定以上導入していくためには、ある電力グリッドの単位で電力需給をバランスさせ平準化させる仕組み、スマートグリッドの構築が必要です。開発したエネスワロー(Ene-Swallow)は、太陽電池、燃料電池からの発電情報および各配電盤などからの電力消費情報そして外気温や日射強度などの気象情報を集約取得します。さらに、取得した膨大な情報からユーザーに役立つ情報を選択、一般化し「電力の見える化」をおこないます。また、特定の電力消費量、発電量、気象条件、空調設定などをトリガー条件としてシステム管理者が自由に設定し、設定したトリガー条件を満たした場合には、ユーザーに無理のない方法で空調の電力負荷を抑制することができます。

これらの機能を実現するためには、異なるメーカーの異なるインターネット通信プロトコルを有する機器を規格化し、1つのサーバーにデータを集約することが必要です。本システムでは、各異なる通信プロトコルを「IEEE1888」の国際規格に変換するマルチゲートウェイを採用し、「EEI棟エネルギーサーバー」にすべての電力情報を集約化、データを蓄積します。さらに、「EEI棟見える化サーバー」は「EEI棟エネルギーサーバー」に蓄積された、あるいは入力されるデータを選択取得し、電力を用途別、フロア別、研究室別などに按分します。この際に各エネルギー機器の動作原理に基づき独自の按分式を用いることで、電力計の数を最小限におさえることができるので、詳細な電力データの取得、見える化、自動制御、メールアラート自動配信などの多機能スマートグリッドシステムの構築と低コスト化が可能です。また、これらの情報はスマートフォンやタブレット、PCによって見ることができます。

エネ・スワローの特長をまとめると下記のようになります。
1.IEEE1888に規格化するマルチゲートウェイを採用することで、BacNET/IP通信、TCP/IP通信、ModBus通信、DAIKIN DIII-NET通信などの異なるプロトコルを有するメーカーの機器を接続し、各データを集約取得することが可能である。
2.権限を有する管理者は、TCP/IPによるインターネット経由で中央監視システムに接続が可能である。
3.外調器 風量も考慮したドラフトチャンバー電力按分計算式などを採用するなど、各機器のシステム原理から導き出される独自の按分式を使って、詳細でより正確な電力按分をおこなうことが可能であり、電力計を最小限にでき低コスト化が実現できる。
4.257の直列に接続された太陽電池パネル(ストリングス)のうち半分のストリングスについて、直流電流、直流電圧を計測し、PCSデータと比較可能し表示する独自機能を有している。
5.空調の設定温度、計測温度、外気温度、受電量などから自動的に、かつユーザーに無理なく空調の負荷抑制をおこなう機能を有している。
6.空調の設定温度、計測温度、外気温度、受電量などが一定の条件を満たした場合、自動的にメール配信する機能を有している

(伊原)

(図の作成: 伊原、シムックス中島)

設計統括: 東京工業大学 伊原学研究室
システム設計: NTTデータ カスタマサービス株式会社
+NTTデータ ビジネスシステムズ
ソフトウエア設計: シムックス株式会社
エネルギーデータ計測: 東京工業大学施設運営部+株式会社ユアテック+アズビル株式会社
+ダイキン工業株式会社+日新電機株式会社+株式会社近計システム

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伊原研究室HP ⇒ http://www.chemistry.titech.ac.jp/~ihara/index.html

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