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東工大ニュース

オーガスト・ハーゲスハイマー氏講演会報告

2013.12.25

10月30日(水)午後1時20分より大岡山西8号館10階大会議室にて、アビオス社長、セーブ南相馬プロジェクト代表オーガスト・ハーゲスハイマー氏を招き、「Starting Business and Engaging in Volunteer Activities in Japan(日本での起業とボランティア活動)」と題した英語による講演会を開催しました。本講演会は、創造性育成科目Topics on Japanへの支援金を活用したもので、参加者は75名、うち留学生が4分の3を占めましたが、日本人学生や教職員、また元NHK解説委員長で日本国際放送特別専門委員の高島肇久氏など、学外のマスコミ関係者も参加されました。

1962年、米国人の父、日本人の母の下に福島県猪苗代町に生まれ、横浜、米国で育ったハーゲスハイマー氏は、サンディエゴ州立大学の医学部生時代にアンチエイジングについて興味を持ち、栄養学で博士号を取得しました。その後、父が始めた米国製電気掃除機販売業を手伝うため単身渡日し、いくつかのビジネスを手がけた後、1990年に健康食品の企画・製造・販売を行うアビオス社を設立。会社経営の傍ら、2011年の東日本大震災直後に、ボランティア団体セーブ南相馬プロジェクトを設立しました。月に1~2回のペースで、南相馬市の人々に生鮮食品や安全な水などの支援物資を直接届け、配布する活動を50回以上続けています。

ハーゲスハイマー氏が南相馬プロジェクトを始めたのは、テレビで、震災、津波、放射能汚染の三重の被害を受け、避難所暮らしを続ける南相馬市の老婦人のインタビューを見たことがきっかけでした。現地を訪問すると、救援物資は避難所に届いているものの、その先の地域住民への配布が滞っており、住民に直接必要な物資を届けるために、友人の協力を得てボランティア活動を開始したそうです。
南相馬市は、福島第一発電所から20キロ圏内の警戒区域、20~30キロ圏内の計画的避難区域を含み、多くの住民が市外に避難したものの、高齢者を中心に4万6千人に上る住民が、市内の自宅や仮設住宅に住み続けており、特に安全な飲料水のボトルは、ニーズが高い状況です。

活動資金は、東京で定期的にチャリティライブ・パーティを開催して調達しています。著名なジャズ・バンドやユニークなパフォーマーが、チャリティ・ライブに快く協力し、パーティを通じて、ボランティア活動への賛同者及び参加者も増えています。クリスマスには大柄な外国人がサンタクロースに扮してプレゼントを届け、また、10月にはハロウィーンの扮装をして物資を届けたということです。

5児の父であり、会社経営者、セーブ南相馬プロジェクト主宰者として多忙な日々を送るハーゲスハイマー氏に、それらをこなすコツをたずねたところ、「人は、問題に直面して逃げ出すこともできるが、それに立ち向かってget it done(何とかやり遂げる)こともできる。人生で出会う困難な課題にも、何とかやり遂げる、という前向きな態度(Attitude)で臨むことが必要」という回答が示されました。

講演会に出席した学生の感想

忙しいご身分であるにも関わらず、未だ被災地支援を継続して活動されているという点に感銘を受けました。ハーゲスハイマー氏が頻繁に仰っていた「前向きな態度で臨む」ということを常に意識しながら、学生生活をおくりたいと思います。貴重な講演をありがとうございました。

(金属工学科 中村富郎)

Dr. Hergesheimer has several experiences of starting a business in Japan and other countries. It is of course important to know the business, market and legal environments but the most important attribute to success as an entrepreneur is attitude.

(訳:ハーゲスハイマー博士は、日本およびその他の国々で事業を開始した経験があります。ビジネスや市場、法的環境を知ることはもちろん重要ですが、起業家として成功するために最も重要なのは態度です。)

(海外交流学生(レンヌ大学) Samuel Choukroun)

講演後の集合写真(ハーゲスハイマー氏は前列右から4人目)