研究

東工大ニュース

安価な試薬を用い短時間(<5秒)・高収率のペプチド合成法を開発

2014.01.23

要点

  • 安価な試薬を用い、20℃、4.8秒でアミド結合を形成
  • 副生物が二酸化炭素と塩酸のみのクリーンなプロセス
  • エピメリ化しやすいアミノ酸、嵩高いアミノ酸にも適用可能

概要

東京工業大学大学院理工学研究科の布施新一郎助教、御舩悠人大学院生らは、薬剤や生体適合性材料として重要なペプチドを迅速、高収率、かつ安価に合成する手法を開発した。この手法により安価で高活性な試薬を使用し、マイクロフロー合成法を駆使して反応時間を5秒以内に制御し、副反応の抑制に成功した。また、この手法は嵩(かさ)高いアミノ酸やエピメリ化を起こしやすいアミノ酸にも適用でき、スケールアップも容易なことから、多様なアミノ酸から構成されるペプチドの大量・低コスト供給に道を開くものである。

従来のペプチド合成法は (1)高価な試薬を要する (2)試薬のスクリーニングが必要 (3)多量の副生物を生じる (4)嵩高いアミノ酸との反応は長時間かかる―といった問題点を持つ。このため多様なアミノ酸から構成されるペプチドの大量・低コスト供給は極めて困難だった。ペプチド合成は、高活性試薬を使用するとエピメリ化などの副反応を誘発するため、高価で温和な活性の試薬の使用が常識とされてきた。本研究では発想を転換して従来法の欠点を解消した。

この成果はドイツの化学会誌「アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション(Angewandte Chemie International Edition)」に速報として掲載され、また、「シンレット(Synlett)」誌の「シンパクツ(Synpacts)」にも掲載予定である。

開発された安価な試薬を用い短時間(<5秒)・高収率のペプチド合成法のプロセス

論文情報

Shinichiro Fuse, Yuto Mifune, and Takashi Takahashi, "Efficient Amide Bond Formation through a Rapid and Strong

Activation of Carboxylic Acids in a Microflow Reactor" Angewandte Chemie International Edition, Article first published online: 2 DEC 2013

DOI: 10.1002/anie.201307987outer

お問い合わせ先
東京工業大学大学院理工学研究科 応用化学専攻
助教 布施新一郎
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Email: sfuse@apc.titech.ac.jp