東工大ニュース
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公開日:2014.01.24
東京工業大学 地球生命研究所の吉田尚弘教授、丸山茂徳教授、黒川顕教授、同大学院理工学研究科の上野雄一郎准教授らの研究グループは、長野県白馬地域の温泉水が無機的に合成されたメタンガスを含むことを突き止めた。これは地球初期の生命誕生のメカニズムを解き明かすことにつながる成果である。
この温泉水は、蛇紋岩と呼ばれる特殊な岩石と水が反応することによってできた強いアルカリ性の温泉で、かつ水素濃度が高い。このような温泉は、現在の地球では稀であるが、生命誕生前の初期地球ではありふれた温泉環境であったと考えられている。
今回、この温泉で、今まで知られていなかった無機的な化学反応によって生命のもととなる炭化水素が合成されていることを突き止めたことから、同様の化学反応が地球の初期で有機物を作り、それが生命の誕生につながった可能性が示された。
この成果は1月15日発行の欧州の科学雑誌「アース・アンド・プラネタリー・サイエンス・レターズ(Earth and Planetary Science Letters)」に掲載された。
Konomi Suda, Yuichiro Ueno, Motoko Yoshizaki, Hitomi Nakamura, Ken Kurokawa, Eri Nishiyama, Koji Yoshino, Yuichi Hongoh, Kenichi Kawachi, Soichi Omori, Keita Yamada, Naohiro Yoshida, Shigenori Maruyama, Origin of methane in serpentinite-hosted hydrothermal systems: The CH4-H2-H2O hydrogen isotope systematics of the Hakuba Happo hot spring Earth and Planetary Science Letters, 2014, 386 112-125.
お問い合わせ先
東京工業大学 大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻准教授
上野雄一郎
Email: ueno.y.ac@m.titech.ac.jp
東京工業大学 地球生命研究所 広報担当
TEL: 03-5734-3163 FAX: 03-5734-3416
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