研究

東工大ニュース

C12A7電子化物担体触媒の高活性を解明

2014.02.21

概要

東京工業大学フロンティア研究機構の細野秀雄教授らの研究グループは、セメントの成分である石灰とアルミナの化合物、12CaO・7Al2O3(C12A7)のエレクトライド(電子化物)「C12A7:e-表面にルテニウム(Ru)を担持した触媒が、アンモニア合成に対して高い触媒活性を示すメカニズムを解明した。反応を単純化したモデルにより第一原理計算で検討し、Ru を担持したC12A7:e-の電子供与性が触媒活性に威力を発揮していることを明らかにした。

電子がアニオン(陰イオン)として働く化合物であるエレクトライドは、ユニークな物性を有することが明らかになりつつある。その典型例がアルカリ金属のように電子を与えやすく、それでいて化学的・熱的に安定なC12A7:e-だ。細野教授らはこの物質の表面にRu を担持すると、優れたアンモニア合成触媒になることを2012 年に発表した。

今回のメカニズム解明は、より電子供与能の高い担体やより汎用な金属の組み合わせにより、さらに高性能で実用性に優れた触媒の実現につながる成果といえる。

C12A7 エレクトライド「C12A7:e-

電子が正に帯電した骨格とイオン結合した化合物であり、電子が陰イオンとして機能する。C12A7 は直径0.5ナノメートル程度のカゴ状の骨格が繋がった構造をしており、カゴの内部に電子を入れることで安定なエレクトライドとなることが2003 年に細野グループによって発見された。この物質は金属のようによく電気を通し、低温では超伝導を示すこともわかっている。

図1. 反応のモデル
図1. 反応のモデル

論文情報

Enhanced N2 Dissociation on Ru-Loaded Inorganic Electride, Navaratnarajah Kuganathan, Hideo Hosono, Alexander L. Shluger, and Peter V. Sushko
J. Am. Chem. Soc., (Communication) DOI: 10.1021/ja410925gouter

お問い合わせ先
フロンティア研究機構・元素戦略研究センター
教授 細野秀雄
Email: hosono@msl.titech.ac.jp