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スパコン「京」がGraph500で世界1位 -ビッグデータの処理で重要となるグラフ解析でも最高の評価-

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公開日:2014.06.27

理化学研究所(野依良治理事長)と東京工業大学(三島良直学長)、およびアイルランドのユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(Andrew J Deeks学長)は、大規模グラフ解析(互いに関連性のある複雑なデータの分析)に関するスーパーコンピュータの国際的な性能ランキングであるGraph500※において、スーパーコンピュータ「京(けい)」[1]による解析結果で第1位を獲得しました。これは、東京工業大学博士課程(理化学研究所研修生)の上野晃司氏らによる成果です。

大規模グラフ解析の性能は、大規模かつ複雑なデータ処理が求められるビッグデータの解析において重要となるもので、今回のランキング結果は、「京」がビッグデータ解析に関する高い能力を有することを実証するものです。

※)
ドイツのライプツィヒで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「International Supercomputing Conference(ISC) 2014」で6月23日(日本時間6月24日)に発表。前回(2013年11月)のランキングでは、「京」は第4位。

Graph500上位10位

公開されたGraph500の上位10位(http://www.graph500.org/outer)は以下の通りです。

順位
システム
名称
設置場所
ベンダー
国名
ノード数
プログラム
スケール
GTEPS
1
K computer
理研 計算科学研究機構
富士通
65536
40
17977
2
Sequoia
ローレンス・リバモア研
IBM
65536
40
16599
3
Mira
アルゴンヌ研
IBM
49152
40
14328
4
JUQUEEN
ユーリッヒ研
IBM
16384
38
5848
5
Fermi
CINECA
IBM
8192
37
2567
6
天河2A
国防科学技術大学
NUDT
8192
36
2061
7
Turing
GENCI
IBM
4096
36
1427
7
Blue Joule
ダーズベリー研
IBM
4096
36
1427
7
DIRAC
エジンバラ大学
IBM
4096
36
1427
7
Zumbrota
EDF社
IBM
4096
36
1427
7
Avoca
ビクトリア州生命科学計算
イニシアティブ
IBM
4096
36
1427

[1] スーパーコンピュータ「京(けい)」
文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」プログラムの中核システムとして、理化学研究所と富士通が共同で開発を行い、2012年に共用を開始した計算速度10ペタフロップス級のスーパーコンピュータ。「京(けい)」は理化学研究所の登録商標で、10ペタ(10の16乗)を表す万進法の単位であるとともに、この漢字の本義が大きな門を表すことを踏まえ、「計算科学の新たな門」という期待も込められている。

お問い合わせ先

広報センター

Tel: 03-5734-2975

Email: pr@jim.titech.ac.jp

※ 公開時、プレスリリースPDFがリンク切れしておりました。修正し、お詫び申し上げます。(2014.06.27 12:25追記)

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