研究

東工大ニュース

プノンペン市初の3次元地質情報データベースを開発 -地質・地盤情報の可視化によりインフラ整備に威力-

2014.08.04

要点

  • 3次元地質学モデルを提示
  • 1,200カ所以上のボーリングデータを使用
  • プノンペン市初の地質・地盤情報データベースが完成

概要

 東京工業大学学術国際情報センターのピパットポンサー・ティラポン准教授らはタイ国チュラロンコン大学工学部と共同で、カンボジアの首都プノンペン市で初めての3次元統合化地質・地盤情報データベースを開発した。
1,200カ所以上のボーリングなどによるデータを活用して作成したもので、同市のインフラ開発に威力を発揮すると期待される。
この研究成果は応用地質学術雑誌「エンジニアリング・ジオロジー(Engineering Geology)」8月号に掲載される。

研究成果

地盤工学・地質学分野において、地下の地質構造区分を把握することは重要な意義を持つ。最近では、カンボジアの首都プノンペン市のインフラ開発に向けて、地盤調査の数が増加している。ボーリングによる地層構成や土の性質などの調査は多数行われているが、得られた地質データに基づいたプノンペン市の3次元地質構造モデル(用語1)の構築は、実施されていなかった。
そこで、東工大のティラポン准教授らは、地下水モデル化システムGMS(用語2)のソフトウェアを用いて、1,200カ所以上から収集した既存のボーリングデータによるプノンペン市の地質・地盤情報データベースの作成に取り組んだ。その結果、GMS上で集積したデータによって3次元的に地下構造を可視化することに成功した。これにより、同市における地質情報の全体像を視覚的に捉えることが可能になり、地盤の工学的特徴に関する理解が深まった。
この研究成果は、同市初の3次元統合化地質・地盤情報データベースの構築のみならず、より正確な地盤形成に関する地質学的解釈の根拠を与え、いくつかの土のせん断強度に関する新たな経験的相関の提案にも結びついている。

研究の経緯

東工大学術国際情報センターは2007年にチュラロンコン大学工学部との部局間国際交流協定を結んだ。今回の成果は交流協定に基づいた情報技術を利用する共同研究成果の一つである。

今後の展開

カンボジアの首都プノンペン市のインフラ開発に向けて、開発した3次元統合化地質・地盤情報データベースを活用することで、現地社会に貢献することが期待される。

図1: (a) プノンペン市の3次元地質構造モデル (b) 複数断面およびボーリングによる地層構造
図1: (a) プノンペン市の3次元地質構造モデル (b) 複数断面およびボーリングによる地層構造

用語説明

(用語1) 地質構造モデル:
地層の形成を3次元的に表現するモデル

(用語2) GMS:
米国Aquaveo社によって開発された浸透流解析の専門的なソフトウェア

論文情報

著者:
Samphors Touch, Suched Likitlersuang, and Thirapong Pipatpongsa
論文タイトル:
3D geological modelling and geotechnical characteristics of Phnom Penh subsoils in Cambodia
雑誌名:
Engineering Geology, 178, 58-69 (2014)
DOI:

問い合わせ先
東京工業大学 学術国際情報センター
准教授 ピパットポンサー・ティラポン
Tel 03-5734-2121 FAX 03-5734-3276
E-mail pthira@gsic.titech.ac.jp

※ 公開時、プレスリリース(PDF)へのリンクが漏れておりました。追加修正いたします。(8月7日)