東工大ニュース
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「宇宙開発」というと、国際宇宙ステーションのような大型宇宙建造物がすぐに思い浮びますが、東工大にはそのまったく逆を行く、「超」小型衛星の開発に情熱を燃やす学生たちがいます。
松永三郎 連携教授(大学院理工学研究科機械宇宙システム専攻)、谷津陽一 助教(同 基礎物理学専攻)と、東京理科大学の木村真一 教授のチームが開発した人工衛星 "TSUBAME" は、東工大として4機目となる大学発の超小型衛星であり、独自に開発した高速姿勢制御装置を軸とした新しい地球観測技術の実証、超小型衛星を用いた本格的な宇宙観測の実現を目標としています。通常の衛星が1トンを超えることも多いのに対し、超小型衛星は100kgを下回るような規模の衛星を指します。今回取り上げる"TSUBAME"は、50cm四方、50kg級の衛星です。
衛星組み上げを行う相模原市 宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所には、不眠不休で黙々と最終調整を行う学生たちの姿がありました。
この衛星は、東工大松永研が世界ではじめての超小型衛星CUTE-Iを打ち上げた翌年に、松永研・河合研チームが衛星設計コンテストに出品し、見事設計大賞に輝いた「偏光X線観測衛星 燕」が設計のベースになっています。CUTEシリーズ開発の背後で要素技術開発が進められ、2010年からは実際に打ち上げるフライトモデルの開発が始まりました。
CUTE-Iの打ち上げから11年、「大学生が人工衛星をつくるのはもはや当たり前」という時代を東工大の学生たちが切り開いてきました。その彼らにさえも、新規技術満載のTSUBAME開発は「実現不能」と思われるほどの過酷を極めましたが、構想から10年の歳月を経てついに宇宙へ向けて飛び立ちます。
開発に参加した学生の中には、工学部機械宇宙学科の授業「機械宇宙プロジェクトA」で、超小型人工衛星プロジェクトを経験した人もいました。
最終テストを終えたTSUBAMEは無事、完成しました。打ち上げは10月末以降の予定です。
TSUBAMEには、この衛星のために開発された機器が複数搭載されています。
搭載機器とミッションの詳細は、リンクよりご覧ください。