東工大ニュース
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3月27日、東京工業大学博物館は、大学院生命理工学研究科 山田研究室との共催で、サイエンスカフェを開催しました。テーマは「腸内細菌ってなんだ?」です。
サイエンスカフェとは、科学技術の分野で従来から行われている講演会、シンポジウムとは異なり、科学の専門家と一般の人々が、比較的小規模な場所で科学について気軽に語り合う場をつくろうという試みです。一般市民と研究者を繁ぎ、科学の社会的な理解を深める新しいコミュニケーションの手法として、世界で注目されている活動です。
ヒトの腸内には、1000種100兆個体の細菌が共生していると言われています。近年、腸内細菌の解析技術が飛躍的に向上し、これらの細菌を網羅的に調査する事が可能になり、様々な発見が相次いでいます。
今回のサイエンスカフェは、そうした目に見えない細菌達の活動や仕組みを子ども達に分かりやすく学んでもらおうと、生命理工学の学部生たちが開発した腸内細菌ボードゲームを使っておこなわれました。
桜のつぼみもほころび始めた大岡山キャンパスの附属図書館学習棟2階にて、サイエンスカフェはスタートしました。小学生から一般の方々まで約40名が参加しました。最初に山田講師が腸内細菌の仕組みについて説明をした後、実際にトーナメント形式でゲームが行われました。
ゲームのために10テーブル用意され、その各々のテーブルには、ホスト役の東工大学生スタッフがつきました。参加者は、ルールや腸内細菌の仕組みの説明をうけながら、ゲームを楽しみました。はじめは緊張気味だった参加者も、次第にゲームを通じ和やかな雰囲気になりました。決勝リーグでは山田講師との対戦となりました。勝者はなんと参加者の小学生!小学生には難しいかと心配されましたが、飲み込みの早さと集中力にスタッフや保護者は驚きの連続でした。
「腸内細菌の大切さが分かった」
「人間の中にちがう生物がいる事を学んだ」
「難しい事もゲームを通じて学ぶ事が出来ました」
「次回もまた参加したいです」
アンケートには、このような感想が寄せられました。保護者の方々にも「子どもを東工大に入学させたい」「東工大生の明るく親しみやすい対応に、子どもがリラックスして参加出来ました」等と好印象でした。そして、スタッフとして参加した本学学生達は、自身の研究テーマを教える、伝えるといったスキルを磨く良い機会に恵まれました。
なお、附属図書館2階学習棟を学外の方向けイベントに利用したのは、今回が初めての試みでした。アクティブラーニングの場として学内外に今後も大きな役割を果たしていくものと期待されます。