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国立科学博物館の常設展示に亀井宏行教授の業績が

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公開日:2015.12.02

東京工業大学博物館 亀井宏行教授の研究業績が、国立科学博物館の常設展示に加わりました。

展示パネル(提供:国立科学博物館)
展示パネル(提供:国立科学博物館)

亀井教授は、「サイエンスとしての考古学」の確立を目指して研究活動を行っています。考古学というと、発掘調査をイメージする人が多いかもしれませんが、莫大な費用や労力がかかる上に、遺跡の破壊にもつながりかねません。亀井教授は発掘ではなく、地中レーダーや電気と磁気による物理探査技術によって、遺跡を探査してきました。

亀井教授の研究業績は、国立科学博物館地球館2階「科学技術で地球を探る」のなかの「地表を探る」というコーナーの一画で、実際に亀井教授が使用した「地中探査レーダ」と「ベクトルグラジオメータ」と共に紹介されています。この2台の機器は、いずれも精密な探査が行われるように、亀井教授が業者と共に開発しました。

「地中探査レーダ」は、周波数変調をかけた連続電波を使った地中レーダ(FM-CW地中レーダ)としては世界で最初に実用化されたものです。「ベクトルグラジオメータ」も地球磁場3成分の磁気傾度を測定できる世界最初の装置です。国内での遺跡探査のみならず、エジプト南部のハルガオアシスの神殿調査やイギリスでの製鉄遺跡調査に用いられました。

国立科学博物館では、パネルと機器展示、映像コーナーで、探査風景をまじえた亀井教授のインタビュー動画を見ることができます。常設展示ですので、今後約10年間は展示される見込みです。他の展示と併せて、ぜひご覧ください。

地中探査レーダ(提供:国立科学博物館)
地中探査レーダ(提供:国立科学博物館)

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ベクトルグラジオメーター(提供:国立科学博物館)
ベクトルグラジオメーター(提供:国立科学博物館)

なお、本学は「国立科学博物館大学パートナーシップ」の会員ですので、本学学生は無料で観覧できます。

国立科学博物館(科博)が実施している、学生の科学リテラシー向上やサイエンスコミュニケーション能力向上を目的に大学と連携して様々な活動を展開していく事業。学生数に応じた一定の年会費を納入した大学の学生は、科博関係の施設(上野公園の科博、目黒の自然教育園、つくば市のつくば植物園)で、常設展は無料、特別展は600円引きで観覧できる。

お問い合わせ先

東京工業大学博物館
Email : centshiryou@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3340

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