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東工大を含むECM共同研究開発チームが2016年日経地球環境技術賞優秀賞を受賞

2016.11.11

東京工業大学を含むECM共同研究開発チームによるECM(エネルギー・CO2ミニマム)セメント・コンクリートシステムに対して、2016年日経地球環境技術賞優秀賞が授与されました。

株式会社竹中工務店、鹿島建設株式会社、日鉄住金高炉セメント株式会社、株式会社デイ・シイ、太平洋セメント株式会社、日鉄住金セメント株式会社、竹本油脂株式会社、国立大学法人東京工業大学

「日経地球環境技術賞」は、日本経済新聞社が地球環境保全のための優れた成果(調査、研究、技術開発への実践的な取り組み)を表彰するものです。

地球の温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、生態系の乱れ、砂漠化、海洋汚染、廃棄物処理など、いわゆる地球環境問題に関する調査、研究、技術開発について独自性、将来の有望性や実現性などを総合判断し表彰されるものです。

受賞対象:ECM(エネルギー・CO2ミニマム)セメント・コンクリートシステム

「ECMセメント」は、鉄鋼製造の副産物である高炉スラグ微粉末を60~70%混合し、従来のセメントに比べて製造時のエネルギー消費量と二酸化炭素(CO2)排出量を60%以上削減しました。品質、耐久性、施工性などの課題を克服し、建築物の要求性能に応じたコンクリート構造物にする技術も確立しました。開発成果は2019年から段階的に公開し、2025年に一般公開して汎用技術として普及させる計画です。高炉スラグの有効利用による資源循環効果もあり、サステナブル社会(持続可能な社会)の実現につながります。今回の受賞では、上記研究成果により、特に低炭素型の混合セメントの可能性を広げた点が評価されました。

坂井悦郎教授のコメント

本受賞にかかる研究開発に関わった本学物質理工学院材料系の坂井教授は以下のようにコメントしています。

日経地球環境技術賞優秀賞受賞の坂井悦郎教授
日経地球環境技術賞優秀賞受賞の坂井悦郎教授

この研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成のもと、2008年から先導研究(通算期間:2年8ヵ月)および実用化開発(通算期間:2年7ヵ月)として実施したものです。基礎研究を進める大学、および材料を製造するセメント会社とその使用者である建設会社が連合し、材料開発から実用化研究までを一貫してグループとして実施したことが特徴です。日本でも例のない研究体制です。材料、施工、構造と統合的な検討を行うために個別の検討会と総合検討会を組織し、綿密な情報交換を行って研究を進めたことが早期の実用化に結びついたと思います。高炉スラグの反応の研究は、私以前に近藤連一先生と大門正機先生と私どもの研究室で引き継がれて来た研究です。今回の成果のように実用化に結びついたことは非常に喜ばしいことです。また、研究の連続性が大切だとあらためて思っています。

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物質理工学院 ―理学系と工学系、2つの分野を包括―
2016年4月に新たに発足した物質理工学院について紹介します。

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