東工大ニュース

キューバ国家評議会の科学顧問が東工大を訪問

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公開日:2017.01.11

(左から)原教授、マイレン・リベロ経済・商務参事官、三島学長、カストロ・ディアスバラールト科学顧問 安藤理事・副学長、水野国際部長、青木国際連携課長 (左から)原教授、マイレン・リベロ経済・商務参事官、三島学長、カストロ・ディアスバラールト科学顧問
安藤理事・副学長、水野国際部長、青木国際連携課長

2016年9月30日、キューバ国家評議会のフェデル・カストロ・ディアスバラールト科学顧問が東工大を訪問し、三島良直学長、安藤真理事・副学長(研究担当)と懇談をしました。懇談には、在日本キューバ大使館のマイレン・リベロ経済・商務参事官、本学物質理工学院の原正彦教授、水野俊晃国際部長らが同席しました。

親日家として知られるカストロ・ディアスバラールト科学顧問は、度々日本を訪れていますが、京都で開催されたSTSフォーラム(科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム)への出席を目的とした来日にあわせて、今回初めて東工大を訪問しました。

懇談は、三島学長による東工大の概要説明で始まり、昨年4月に本学の研究所、研究ユニット、研究センターを統括した新組織「科学技術創成研究院(IIR)」を中心とした説明が行われました。

原子力の専門家として、1980年代のキューバの原子力プログラムの運営を担当してきたカストロ・ディアスバラールト科学顧問は、特にIIR配下にある「原子燃料サイクル研究ユニット」や「先導原子力研究所(LANE)」に高い関心を示し、その研究内容について多くの質問をしました。三島学長は、「原子燃料サイクル研究ユニット」では原子力発電に伴う原子燃料サイクルで排出される高レベル廃棄物の処理・処分工程の技術開発を、LANEでは、廃炉や放射線の活用、原子力の安全とセキュリティ、革新的な原子力システムの研究を行っていることを説明しました。

懇談後、一行は地球生命研究所(ELSI)を訪問し、生命の起源に関する化学進化実験の施設等を見学しました。カストロ・ディアスバラールト科学顧問は、現在キューバのハバナに建設中のナノテクノロジー研究センターについての話をしながら、同行した原教授に「単一分子が、どのように鉱物の表面を認識して、選択的に吸着するか」など、ナノテクノロジーを用いた新しい実験系について熱心に質問していました。また、世界中の第一線の研究者が多く在籍しているELSIの国際的な研究環境にも興味をもたれ、キューバの研究所にも同じような環境を作りたいと話しました。

原教授(右)による説明を聞くカストロ・ディアスバラールト科学顧問(左)
原教授(右)による説明を聞くカストロ・ディアスバラールト科学顧問(左)

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