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第2回東京工業大学COIシンポジウムを開催

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公開日:2017.01.11

11月24日、大岡山キャンパス内の東工大レクチャーシアターにおいて、第2回東京工業大学COIシンポジウムを開催し、企業や大学、COI関係者など約200名が参加しました。

会場の東工大レクチャーシアター

会場の東工大レクチャーシアター

東工大では「『以心電心』ハピネス共創社会構築拠点」(以下、東工大COI)が、文部科学省・科学技術振興機構による「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」のCOI拠点に採択されています。

革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)は、『10年後、どのように「人が変わる」のか、「社会が変わる」のか、その目指すべき社会像を見据えたビジョン主導型の研究開発プログラム』をコンセプトとし、既存の概念を打破し、これまでにない革新的なイノベーションを創出するイノベーションプラットフォームを日本国内に整備することを目的としたプログラムです。COIとは、Center Of Innovation の頭文字をとったものです。

本シンポジウムは、COI STREAMのビジョン2が掲げる「豊かな生活環境の構築(繁栄し、尊敬される国へ)」の一環として、その活動を広く一般に知ってもらうことを目的として開催されているものです。今回は、「ハピネス共創社会-人と技術の新たな共生を求めて-」をテーマに、新たな試みとして、会場の誰もが参加できる全体討議の場を設けて行われました。

司会の小田研究リーダー
司会の小田研究リーダー

当日は、『以心電心』ハピネス共創研究推進機構(以下、ハピネス機構)の小田俊理研究リーダーの司会で進められました。三島良直学長の開会挨拶に続いて、文部科学省の神代浩科学技術・学術総括官、COI STREAMの小宮山宏ガバニング委員長、同ビジョナリーチームの横田昭ビジョン2ビジョナリーリーダーの挨拶があり、COIの社会的意義やこれまでの東工大COI活動への評価等も含め、今後の活動への期待が述べられました。

  • 開会挨拶をする三島学長

    開会挨拶をする三島学長

  • 来賓の神代科学技術・学術総括官

    来賓の神代科学技術・学術総括官

  • 小宮山ガバニング委員長

    小宮山ガバニング委員長

  • 横田ビジョン2ビジョナリーリーダー

    横田ビジョン2ビジョナリーリーダー

次に、本学リベラルアーツ研究教育院の上田紀行研究教育院長が「『生きる意味』と技術」と題して講演し、幸せは人により、社会により、文化によって異なるものであり、技術がどのようにかかわっていくかが重要であると述べました。また、社会情報流通基盤研究センターの大山永昭センター長は「個人情報保護法と『以心電心』プロジェクト」の中で、個人情報保護について欧米の例を示しながら、日本での望ましいあり方について言及しました。

  • 上田研究教育院長

    上田研究教育院長

  • 大山センター長

    大山センター長

さらに、環境・社会理工学院の野原佳代子教授の講演「サイエンスカフェで語る、人と技術のよい関係―コミュニケーションを起こす翻訳とは」では、一般の方々に『以心電心』のコンセプトを紹介し自由に討論するサイエンスカフェの経験をもとに、「意訳」の重要性や、幸せとは効率を求めるものでなく生活の充実に寄与するものとの見解が示されました。 KDDI株式会社の宇佐見正士理事・技術開発本部長は、「もっと自由に、もっと優しく、もっと楽しく:コミュニケーションの未来を求めて」の中で、将来の社会のニーズと技術開発の可能性を示しながら、未来社会への展望を述べました。

  • 野原教授

    野原教授

  • KDDIの宇佐見理事・技術開発本部長

    KDDIの宇佐見理事・技術開発本部長

講演をする富士ゼロックスの有馬エグゼクティブ・アドバイザー
講演をする富士ゼロックスの有馬エグゼクティブ・アドバイザー

最後の講演として、富士ゼロックス株式会社エグゼクティブ・アドバイザーで、国連グローバル・コンパクトのボードメンバーである有馬利男氏が「2030年に向けて世界的な優先課題および世界のあるべき姿」をテーマに話しました。 国連グローバル・コンパクトは、各企業・団体が社会の良き一員として世界の諸問題(気候変動、エネルギー、貧困等)に取り組む枠組みで、2030年までに共通のゴールを達成することを目指しています。これに対応して、企業活動は事業のすべてのプロセスに責任を持ち、持続的な経営とイノベーションを目指すべきであると、有馬氏は主張しました。

講演に続いて、会場からの質問に対してCOI関係者や講演者が意見を述べ、お互いの理解を深めたり、新たな方向性を見出すヒントを探ったりすることを目的とした全体討論会が行われました。意見の中には、「東工大COIが目指す4つのサービスがあれば人は本当に幸せになれるのだろうか、かえって真意が伝わらず誤解を生じるのではないか」、「『以心電心』が単なるコミュニケーションツールではなく創造性を生み出すことにつながるようなことも検討すべきではないか」、「実際の生活の場で人を助けようとした場合その善意が相手にうまく伝わるのか」など、今後の東工大COIにおける研究に役立つ貴重かつ多様な意見が出されました。

全体討論の様子

全体討論の様子

本シンポジウムの締めくくりとして、安藤真理事・副学長(研究担当)が挨拶に立ち、COI活動に対する本学としての支援と参加者への感謝の意を表し閉会しました。

閉会挨拶をする安藤理事・副学長(研究担当)

閉会挨拶をする安藤理事・副学長(研究担当)

お問い合わせ先

東京工業大学 『以心電心』ハピネス共創研究推進機構

E-mail : coi.info@coi.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3562

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