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東工大ニュース

大学内に「島津製作所 精密機器分析室」を開設 ―設備共用化や若手研究支援を加速―

2017.05.10

概要

東京工業大学(以下、「東工大」という)は生命理工学院内に「島津製作所 精密機器分析室」(通称:アンテナショップ[用語1])を開設した。平成28年度の大学改革による同学院の創設を機に、島津製作所から寄贈されたライフサイエンス関連先端精密機器を中心に先端的な機器を備えた施設。先端研究の推進をはじめ、若手研究者や学生などの研究支援、国際共同研究や種々の企業との産学連携の推進に活用する。また、同社においては、新たに開発した機器等を利用した産学連携スペースとして本分析室を活用することを計画している。東工大としては学内に設置された最初の企業との連携による共用機器室になる。東工大は産学連携の一つのモデルとするとともに、全学的な設備共用化をさらに加速する。

なお、東工大の生命理工学院とバイオ研究基盤支援総合センターによる本分析室を核とした設備共用化の取組は、平成29年度の文部科学省先端研究基盤共用促進事業(新たな共用システム導入支援プログラム)[用語2]に採択されている。

島津製作所 精密機器分析室

島津製作所 精密機器分析室

設備共用化による産学連携のモデルに

東工大は平成28年度に文部科学省先端研究基盤共用促進事業(新たな共用システム導入支援プログラム)に3件採択され、全学的な設備共用化に取り組んでいる。さらには平成29年度に、生命理工学院とバイオ研究基盤支援総合センターによる「島津製作所 精密機器分析室」を核とした設備共用化の取組が、同事業に採択された。本分析室の設置と同事業の採択により、学内のライフサイエンス系機器の集約・共用化を推進するとともに、島津製作所製機器以外にも種々の大型機器類の共用化を進める。

対象機器・設備は事業終了後の資金運用も考慮し、稼働率だけでなく耐用状況、集約による費用効果も踏まえて選定した。それらの機器を9つの共用機器室に再配置し、必要なものは更新再生する。また研究室内に機器類を充実させることが困難な若手研究者などが実験台と汎用機器類を利用でき、実験スペースとして活用できる「共用実験室」も新たに設置する。

「共用実験室」は各研究室から共用設備として提供される汎用機器類を集約し、簡易に使用できる共用実験スペースとして提供する。複数の研究グループが使用するオープンスペースとすることで、交流とディスカッションが生まれ、新たな融合研究を育むことが期待される。実験台と汎用機器を移設し、平成29年度中頃から使用を開始する。

設備共用化の核となる「島津製作所 精密機器分析室」には平成29年度初めに島津製作所からメタボロミクス解析システム(液体クロマトグラフ質量分析計)、マイクロチップ電気泳動装置、ライフサイエンス分光光度計が寄贈された。さらに学院内の研究室に個別に整備されていた同社製機器や新たに学院で導入した同社製精密機器(フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)、分光蛍光光度計、高速液体クロマトグラフ(HPLC)、高感度ガスクロマトグラフ、示差走査熱量計など)を平成29年度から本分析室で集約的に維持・管理することで管理運営を効率化する。

東工大では今後、本分析室を先端研究の推進をはじめ、若手研究者や学生などの研究支援、国際共同研究や種々の企業との産学連携の推進に活用することとしており、学術論文の増加や産学連携推進のための起爆剤としての効果が期待される。また、島津製作所では、本分析室を新たに開発した機器等を利用した産学連携スペースの拠点として活用することを計画している。

東工大としては学内に設置された最初の企業との連携による共用機器室になり、産学連携の一つのモデルとするとともに、全学的な設備共用化のさらなる加速を図る。

島津製作所より寄贈された「液体クロマトグラフ質量分析計」

島津製作所より寄贈された「液体クロマトグラフ質量分析計」

「島津製作所 精密機器分析室」設置の背景と経緯

東工大は平成19年に技術職員を集約して技術部を発足した際、技術部の扱う研究設備は全学共用とした。その結果、技術部は現在、約230台の全学共用の研究設備を管理・運営している。平成28年度の大学改革に伴い、「総合的な研究力を高めるための学内資源の効率的配分・運用と環境整備」を中期目標に掲げ、技術部を中心に全学における研究設備の共用化を進めると同時に、研究設備の充実と運用体制強化に取り組んでいる。

一方、生命理工学院は組織改編に伴い、生命理工学に関連した約70の研究分野を構築し、学士課程から大学院(修士課程・博士後期課程)までを一貫して教育する国内最大の生命系理工学教育研究組織として新たにスタートした。医薬品などの有機合成から、細胞、動物実験に至るまでの多彩な生命系学際研究の推進が可能となっている。こうした組織は、国内外で類を見ないものであり、産学連携も含めた様々な融合研究が展開されている。

また多彩な先端研究を行うための基盤環境として、現存する測定機器の効率的利用や先端研究人材の育成強化を加速するための基盤整備が急務となっていた。そこで、平成28年度に同学院内に研究企画推進会議を設け、学内の共同利用施設であるバイオ研究基盤支援総合センターと協力して「既存装置からの共用設備の選定と共用機器室の設置準備」を進めてきた。

用語説明

[用語1] アンテナショップ : 企業の有する高度な設備やノウハウ等を活用し、東京工業大学における研究の高度化を図ることを目的として設ける共同利用の実験室

[用語2] 先端研究基盤共用促進事業(新たな共用システム導入支援プログラム) : 平成28年度に文部科学省が開始した事業で、大学等の研究機関が所有する設備・機器を共用化することにより、産官学による研究開発成果を最大化することを目的として、各研究室等で分散管理されている研究設備・機器群を一つのマネジメントの下で運営する共用システムの導入を支援している。

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