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東工大生がハーバード大生等と交流~大倉山学生フォーラム・たたら製鉄ワークショップ

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公開日:2017.08.21

6月24日、横浜市大倉山記念館で「大倉山国際学生フォーラム横浜2017」がハーバード大学等の主催で開催され、東工大からも学生が参加しました。今年で6回目となる本フォーラムは、ハーバード大学の学生がサマースクールやインターンシップなどで日本に滞在中に、日本文化をテーマに日本の大学生と国際交流するイベントです。日本からは、東京工業大学、慶應義塾大学、横浜市立大学の学生(各10名、計30名)が集まりました。

大倉山国際学生フォーラム横浜での集合写真

大倉山国際学生フォーラム横浜での集合写真

今回は、アナウンサー・古典芸能解説者の葛西聖司氏による「歌舞伎の魅力」をテーマにした講演と、日本舞踏家の市川ぼたん氏による「日本舞踊の魅力」をテーマにした実演が行われました。また、葛西氏と市川氏、歌舞伎研究家・翻訳者のマーク大島氏による「日本の伝統芸能のすばらしさ」をテーマにした鼎談も行われ、その熱のこもった話に、参加した学生たちは興味深く聞き入りました。わかりやすい説明で歌舞伎の基礎的な知識を身につけ、日本文化を知ることができました。

手作りの鍛冶炉でペーパーナイフづくり
手作りの鍛冶炉でペーパーナイフづくり

また、7月22日には東工大大岡山キャンパスで、「たたら製鉄ワークショップ」が開催されました。東工大の学生10名、「大倉山国際学生フォーラム」に参加したハーバード大学の学生7名とジャパンプログラム※1で来日中のマサチューセッツ工科大学(MIT)の学生6名、合わせて23名が参加しました。

本ワークショップは、今年度から実施され、海外の大学生に東工大の活動と日本文化、ものつくりを理解してもらうために企画されました。日本の伝統技術である和鉄づくりと、日本の歴史や神事に欠かせない刀に関する講義と実践を行いました。

「たたら製鉄」は、砂鉄を木炭によって還元し鉄を得る、日本独自の製法です。このような製法でつくられた鉄は「和鉄」と呼ばれ、非常に純度が高く、良質で日本刀などに使われています。参加者は、 本学教員や新日鐵住金株式会社が協力する任意団体「ものづくり教育たたら連絡会」の支援のもと、たたら製鉄の手法を用いて和鉄を作り、手作りの鍛冶炉で鉄の棒からペーパーナイフを作る体験をしました。

  • たたら炉の横でふいごを踏み炉に空気を送り込む様子
    たたら炉の横でふいごを踏み炉に空気を送り込む様子
  • 松田刀匠(写真右)制作の日本刀を鑑賞
    松田刀匠(写真右)制作の日本刀を鑑賞

また、千葉県無形文化財の保持者でもある刀匠の松田次泰氏から日本刀についての講義があり、その中で、日本刀の芸術品としての価値とともに、日本人の美の捉え方について語られました。さらに松田氏は、日々の努力の積み重ねと精神力、理論と実践を備えた確かな技術に支えられる日本伝統のものつくりの考え方を伝えました。

両イベントは、日本の伝統芸能鑑賞やものつくりの体験を通じ、日米学生間の国際交流が進み、友好関係を築く素晴らしい機会となりました。

たたら製鉄ワークショップ後に、全員で集合写真

たたら製鉄ワークショップ後に、全員で集合写真

参加者のコメント

岡朋宏さん(東京工業大学 工学部 機械学科4年)

私は、東工大グローバル理工人育成コース※2を通じてこのプログラムを知り、国際交流で自分の視野を広げたいと思い、参加をしました。

「大倉山国際学生ファーラム横浜」では、実際に市川ぼたんさんの舞踏を目の当たりにし、日本文化や歌舞伎への興味が深まりました。日本人であってもなかなか歌舞伎に触れる機会は少なく、今回はハーバード大学の学生と一緒に、改めて日本の伝統文化を学ぶことができ、とても新鮮に感じました。

「たたら製鉄ワークショップ」は、炎天下で火を扱うため体力的には大変な状況でしたが、学生たちの熱気はそれ以上で、楽しく和鉄とペーパーナイフを作ることができました。

両イベントを通じて印象的だったのは、アメリカの学生たちの学ぶ意欲の高さです。少しでも気になることがあったら積極的に質問をしたり、近くの学生とディスカッションしている姿を何度も目にしました。また、多くの学生が日本語を積極的に話していたことも印象的でした。多少間違っていてもどんどん日本語で日本人の学生とコミュニケーションを図っていき、私たちからにフィードバックをもらっていました。このような“前のめり”に学ぶ姿勢はこれからグローバルに活躍していく上で必要不可欠であり、見習っていきたいと思いました。また、日本人として、日本の文化の深い理解が必要であることも強く感じました。

※1
日本の企業、研究所等でインターンシップを行うプログラムです。詳しくはMIT-Japan Program(English)outerのサイトをご覧下さい。
※2
世界の企業、大学、研究所、国際機関など、様々な分野で活躍できる科学者・エンジニア・技術者=「グローバル理工人」を育成するために2013年度に開設したコース。系・コースの標準課程で身につける専門性に加え、高い国際性を養います。東工大に入学してきた学士課程の学生を対象にした初級・中級コースと、修士課程を対象にした上級コースがあります(上級コースは2017年4月より新設)。

お問い合わせ先

グローバル人材育成推進支援室(担当:村上(菜)、太田)

Email : ghrd.info@jim.titech.ac.jp

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