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西森秀稔教授が量子コンピューティング用語の国際標準策定グループのメンバーに就任

2017.08.25

西森秀稔教授が量子コンピューティング用語の国際標準策定グループのメンバーに就任
―電気・電子・情報・通信分野の世界最大の学会IEEE内に設置―

要点

  • 量子コンピューティング関連用語の標準化を電気・電子・情報・通信分野の世界最大の学会IEEEの標準化部門が開始
  • 量子コンピューターD-Waveマシン[用語1]の理論的基礎である量子アニーリング[用語2]を提唱した西森秀稔教授がメンバーに就任
  • IBMおよび1Qbit社[用語3](量子コンピューターのソフト開発企業)の代表らも参加

IEEE Standards Association(アイ・トリプル・イー スタンダード・アソシエーション、標準化部門)[用語4]は量子コンピューターの実装が急速な進展をみせている状況に対応し、ワーキンググループ(WG)を設置して、量子コンピューティング用語の標準化を策定するプロジェクトを開始しました。

当WGでは、量子トンネル現象、量子もつれ現象など量子コンピューティングに関する様々な用語の定義を行います。正確な用語による理解促進を通じて、エンジニアのみならず、材料科学、数学、物理、気象学、生物学など様々な分野での量子コンピューティングの利用拡大を支援していきます。

当WGは、多彩な事業を展開している起業家であるWilliam Whurley氏を委員長として、IBMの量子コンピューター研究開発部門の責任者Jerry Chow氏、1QBit社のCEO Anrew Fursman氏、および東京工業大学 理学院 物理学系の西森秀稔教授などから構成されています。

東京工業大学は量子コンピューティングの一種である量子アニーリングの発祥の地であるだけでなく、現在に至るまで当分野の研究の中心地のひとつとして世界的な注目を集め続けています。その実績を踏まえて、IEEEより西森教授へメンバー就任の要請がありました。

西森教授のコメント

西森秀稔教授
西森秀稔教授

量子コンピューティングの分野は近年急速な成長を遂げており、北米を中心に、大学や公的研究所だけでなくベンチャーも含めた企業の参入が相次いでいます。

新しい分野だけに用語の上でも混乱が見られるため、共通の基盤を策定することが喫緊の課題です。東工大の研究成果も踏まえながら、人類社会の発展に資するべく微力を尽くして参ります。

用語説明

[用語1] D-Waveマシン : カナダのベンチャー企業D-Waveシステムズの量子アニーリング方式の量子コンピューター

[用語2] 量子アニーリング : アニーリング(材料開発のプロセスとして用いられる「焼きなまし」の意)と量子力学を組み合わせた理論

[用語3] 1QBit社 : D-Wave社の量子アニーリングマシン向けの応用ソフトを開発するなど、量子コンピューティングにおける最先端の技術を生かした事業を展開しているカナダのベンチャー企業

[用語4] IEEE Standards Association(アイ・トリプル・イー スタンダード・アソシエーション、標準化部門) : IEEEの一部門で古くから数多くの工業規格の標準を策定してきた。最近の事例では、無線LAN、スマートグリッド、EV(電気自動車)の充電や通信などの現代生活に密着した規格を定めている

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