東工大ニュース
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参加者に向けて講演するIEAのバロー氏
2017年7月13日、大岡山キャンパス EEI棟にて、国際エネルギー機関(International Energy Agency、以下IEA)※1のチーフエコノミストであるラズロ・バロー氏※2による特別シンポジウムを、外務省後援のもと本学エネルギーコース※3主催で開催しました。
本シンポジウムは、エネルギーや気候変動問題に関心を持つ学生、研究者、教員にIEAの業務内容やIEAでのキャリア形成について理解を深めてもらうことを目的として行われました。
はじめにバロー氏から地球温暖化の現状や将来必要とされるエネルギー政策について講演があり、その後IEAにおけるキャリア形成などについて質疑応答を行いました。
講演の中でバロー氏は、地球温暖化による気候変動が世界中で脅威となっており、これ以上悪化させないよう、低炭素社会の実現に向けて各国がエネルギー政策を転換していく必要があると訴えました。また、低炭素社会に向けた技術開発の分野で、日本の企業は国内のみならず海外でも強いリーダーシップを発揮していると評価しました。そのようなエネルギー政策の大幅な転換のためには、政界や学術界、産業界だけでなく、一般の国民などさまざまな立場から積極的に政策意思決定の場に参加し、議論を重ねていく必要があると指摘しました。また、近年の大学では、工学、環境学、デザイン、建築学、経済学、社会科学などの分野の垣根を越えて学ぶことのできる融合系プログラムが増えてきていることを説明しました。
シンポジウムの最後には質疑応答が行われ、途上国での自然エネルギー政策やIEAにおけるキャリア形成や人材採用などに関する学生からの質問にバロー氏が回答し、参加者たちはさらに理解を深めました。
地球温暖化について説明するバロー氏
講演後、積極的に質問する参加者たち