毎年琵琶湖で開催される「鳥人間コンテスト」。
この大舞台で飛行機を1mでも遠くへ飛ばすため、1年間全員が一丸となってきたのだ。
(本番大会)
 毎年テレビで放映されている「鳥人間コンテスト」は、エンジンなどの動力を使わない人力飛行機の大会だ。Meisterは2001年の人力プロペラ機部門優勝に続き、2002年も再びその栄冠を手にしている。前年の優勝記録を大幅に更新した飛行記録は堂々の6201.74m。彼らの強さの理由は“攻めの姿勢”。よりよいものを作るために、時には優勝した前年のスタイルをもゼロから見直す…そんな探求心にあるのだ。
「大改革だったのは、プロペラの素材を変更したことですね。さらにしっかりしたプロペラを完成させるため、スタイロフォームからカーボンに変えたんです」
(プロペラ班主任・田中健一さん)

 機体の重量とパイロットの体重を合わせると100kg近くになる。プロペラが、大きな力がかかることによってたわんだり変形してしまうようでは、推力に影響が出てしまう。
だから、強度のある素材選びは重要なのである。そして、長い時間をかけてたんねんに磨き上げていく作業も大事な仕事だ。プロペラの表面を滑らかに仕上げるほど、抵抗は少なくなる。設計段階ではじき出された理想のフォルムを崩さないように、ひたすら磨く日々が続く。
本番前にどれだけテスト飛行ができるかで勝負が決まると言っても過言ではない。機体が損傷しないよう、地面に着く瞬間に支えるのは重要な仕事。ひたすらダッシュして、機体を追いかける。
(テスト飛行)

「翼は、大きく構造を変えることはありませんが、やはり型紙通りにカットする緻密さが大事ですね。前よりもよく飛ぶ飛行機を作るには、地味だけど一つひとつのものの精度を上げていくことが重要なカギになります。翼を作る上でこだわっているのは、とにかく見てきれいなラインに仕上げること。ぼくは『ものの美しさは性能に反映する』と信じていますから」(翼班主任・涌井隆史さん)
 設計図が完成し、製作を開始してから約6か月。大勢のメンバーが心血を注いで製作した飛行機が空に舞う…初めてのテストフライトでは、だれもが迫る想いに胸をつまらせる。実績あるMeisterの面々とて、この日まではだれ一人として本当にこの飛行機が飛ぶかどうかはわからないのだ。
「自分たちの手で作った飛行機が本当に飛んだ!」その感動の味は、かかわった者にしかわからない。思わず涙ぐむ者も少なくはない。
「コンテスト三連覇はもちろん狙いたいけど…でも、ほかのチームがどんな記録を出そうとも、ぼくたちの目標は『より遠くに飛ばす』、これだけです。夢は大きく10,000mです!」(代表・蓮見孝志さん)
 Meisterとは・・・
 本格的な姿勢でものづくりに挑む「ものづくりサークル」。
人力飛行機をはじめ、電気自動車などの製作も行っている。先輩の持っている技術を着実に後輩へ伝達する高い意識、まとまりが自慢のサークルだ。
Meisterホームページ
http://www.meister.ne.jp/