扇風機の前で「あ〜」と声を出すと「あ゛〜」というような感じに変わって聞こえます。この気だるげな音はなんとも印象的です。実際にやってみてこの声が記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。
 私たちはこの実態を調査するために、東工大生100人に扇風機の前で声を出したことがあるかを尋ねてみました。結果は右の円グラフの通りで、9割以上の学生がやったことがある、と答えています。
 人に見られてやるのは少し恥ずかしいかもしれないけれど、ついついやってしまう扇風機の前での「あ゛〜」。でもよくよく考えてみると、声はなぜ変わるのでしょうか。扇風機がなんらかの形で影響しているのは想像がつきますが、今ひとつ釈然としません。そこでこれも東工大生がどのように考えているのか尋ねてみたところ、結果は右表のQ2のようになりました。羽にぶつかった声とぶつからなかった声が聞こえるから、ドップラー効果が起こるから、空気の密度が変わるから、声がふるえるからなど、ごらんの通り回答はバラバラでした。
 そこで今回は、このように多くの人がやったことがあるのに理由がはっきりしない、扇風機の「あ゛〜」を取り上げます。いったい何が原因なのでしょうか。身近な現象にも理由のよく分からないことはあるものです。一見単純そうなこの原因を解明するべく、いざ実験に取りかかりました。