研究

トムソン・ロイター引用栄誉賞に細野秀雄教授、大隅良典特任教授が選出

フロンティア研究機構の細野秀雄教授、大隅良典特任教授が、9月25日、「トムソン・ロイター引用栄誉賞(ノーベル賞有力候補者)」に選出されました。
同賞は、トムソン・ロイターが保有する世界最高水準の学術文献・引用データベース「Web of Science」上で被引用数の各分野上位0.1パーセントにランクする研究者から選出されます。その中でハイインパクト論文(各分野において最も引用された上位200論文)を検証し、ノーベル委員会が注目すると考えられるカテゴリごとに人物が決定されます。
同賞の選考分野は、ノーベル賞に対応する4つの分野(医学・生理学賞、物理学賞、化学賞、経済学賞)が対象となっており、昨年ノーベル医学・生理学賞を授賞された京都大学・山中伸弥教授も2010年に同賞に選出されています。

今回、細野教授は物理学分野において、大隅特任教授は医学・生理学分野において選出されました。

今回の選出をうけ、両教授は次のようにコメントしています。

細野秀雄 教授(フロンティア研究機構・元素戦略センター長)

鉄系超伝導体は、新型ディスプレイに応用が始まったIGZO薄膜トランジスタを生み出した、透明酸化物半導体の研究を拡張する試みの中で発見できました。
当時PDであった神原陽一博士(現・慶應義塾大学)、元大学院生 渡辺匠君など共同研究者の方々とJST、東工大の支援のおかげです。これからも物質科学の新領域の開拓と材料への展開に精進したいと思います。

大隅良典 特任教授(フロンティア研究機構)

この度、トムソン・ロイター社の引用論文栄誉賞(Citation Laureate)に選ばれたという知らせを受けました。大変光栄に思います。私が酵母のオートファジー研究に関わって、ちょうど4半世紀が過ぎました。誰からも「オートファジーって何」と言われていた当時から、オートファジーは今や大変大きな裾野を持った領域になりました。私が一人で細々と始めた酵母の研究がこのような展開のきっかけとなったのであれば、大変光栄であると同時にこれまでの様々な幸運に感謝したいと思います。しかし引用度はある意味で流行のバロメーターでもあります。私は人がやらないことをやろうと言う思いからこの世界に入りました。私達の論文が本格的に引用され始め年間500を超えたのは10年後の2002年になってからです。今日の若い世代は大変な時代を生き抜かねばならないとは思いますが、余り流行を追わずに自分の興味に忠実であって欲しいと思います。膨大な情報に惑わされることなく、自分の眼を信じて対象に接する姿勢を大切にして欲しいとも願っています。
現代の生物学は、多様な方法論を駆使することで成立しています。私はその折々に素晴らしい研究仲間に恵まれました。従って今回の賞もまさしく私個人に与えられたものではなく、私の研究室へ与えられたに違いありません。吉森、水島両氏は世界の哺乳類のオートファジー研究を牽引していますし、多数の研究室を出た人たちも、独立してそれぞれこの領域で頑張っています。
最後にこれまでの研究を支えていただい文部科学省の科学研究費、東京大学教養学部、基礎生物学研究所、現在所属している東京工業大学に深く感謝の意を表します。

ノーベル生理学・医学賞2016 特設ページヘ

大隅良典栄誉教授が「オートファジーの仕組みの解明」により、2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。受賞決定後の動き、研究概要をまとめた特設ページをオープンしました。

ノーベル生理学・医学賞2016 特設ページヘ

2013年10月掲載