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<バイオ研究基盤総合支援センター
助教授
白髭 克彦 >
バイオ研究基盤支援総合センター白髭克彦助教授のグループは,90ナノメートルの解像度でゲノム上のタンパク質の動きを捉えることに成功した.英国がん研究所のフランク・ウルマン博士との共同研究による研究成果である. ゲノム上に存在する遺伝情報が機能するためには様々なタンパクがゲノムと相互作用する必要がある.従って,ゲノム上でのタンパクのダイナミックな動きを詳細に捉えることは,ポストシークエンス時代の重要な技術の1つである.研究グループは90ナノメートルの解像度(従来の約1万倍)でタンパクの動きを捉えることが可能な独自技術(ChIP-chip法)を開発し,細胞分裂で重要な役割を果たすコヒーシン(染色体接着因子)と呼ばれるタンパク質の動きを捉えることに成功した. 細胞分裂では,1つの細胞(親細胞)が分裂した結果生じる2つの細胞(娘細胞)が,親細胞から通常1組ずつのゲノムのコピーを受け取る必要がある.この過程で異常が起こると,ダウン症等の原因でもある染色体数の異常が引き起こされる.コヒーシンは,細胞分裂の過程でゲノムと結合し,このゲノムのコピーを1組ずつ受け取るというステップを確実にするために,コピーされたゲノムを分配する時までつなぎとめるタンパクとして知られていたが,今までゲノム上でどのように結合しているかは不明であった. 解析した結果,ゲノム上に結合したコヒーシンは,その部位に新たに他のタンパク(RNA合成酵素等)が結合する際にはじかれて,次々に結合する場所が移動していることを見出した.今回の研究結果により,転写等のゲノムと結合する他のプロセスの邪魔にならないよう,コヒーシンが柔軟にゲノム上を動き回ることによって配置され,染色体を正確に親細胞から娘細胞へ伝えていくことを初めて解明出来た. この発見で,染色体数の異常が発生するメカニズムを解き明かす上で非常に重要な知見を得ることができ,また,今後細胞内でのゲノムの動きを直接知ることが出来るChIP-chip法などの技術の利用により,ゲノム制御ネットワークの全体像を解明していくことが出来るものと期待される. なお,本研究成果は,『nature』(ネイチャー)のオンライン版(6月30日付,日本時間7月1日)に掲載された.
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