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最近の研究成果
 

先進的モバイル型アスベスト溶融無害化リサイクルシステムの開発 (/07/05/23)

<原子炉工学研究所  教授  有冨正憲>

 本学原子炉工学研究所長 有冨正憲教授,渡邊解体興業株式会社,愛知産業株式会社らの研究グループは,解体工事現場において環境問題となっているアスベスト廃材の飛散性を水フィルターにより除去し,沈降したアスベストを絞り機で水分調整した後,電磁誘導加熱により溶融させ無害化し,ガラスとして再利用できる資源として搬出でき,さらにアスベスト含有水はフィルターにより沈降水無害化処理し,法令基準を満足する排水状態にできる「先進的モバイル型アスベスト溶融無害化リサイクルシステム」を開発した.

 現在,アスベスト廃材は二重のビニール袋に入れて管理型処分場に埋設されているが,年月が経過してもアスベストの形態を維持して土に返ることはないため,将来,環境問題が再発する可能性を否定できない.アスベストはガラス繊維であることが判明しているので,原子力分野の高レベル放射性廃棄物と同様に溶融してガラス化できれば,無害化とリサイクルが可能であろうという推論に立って研究開発を推進した.その結果,以下のような知見を得るとともに,無害化に関する手法を確立,様々な機材等を開発するに至った.

今回の研究により得られた知見

  • アスベスト廃材は,水中に沈降させることにより飛散性を排除でき,容積を1/3程度に圧縮できる
  • 20%程度の含水率に調整したアスベスト廃材は,電磁誘導により1600℃程度に加熱することで溶融してガラス化できる
  • アスベスト含有水はスプリングと珪藻石を用いたフィルターを用いることにより沈降無害化処理ができる
  • アスベストを含有する珪藻石も電磁誘導加熱によりガラス化できる
確立した手法
  • アスベスト廃材の飛散性の排除方法と減容化の手法の確立
  • 含水アスベスト廃材の飛散性を排除した溶融化法の確立
  • 残存するアスベスト含有水の無害化処理法の確立
新しく開発した方法,機材等
  • 小型モバイル仕様のバキューム機,沈降タンクとヘパフィルターから構成されるアスベスト廃材の収集装置
  • インバータ方式を用い,アスベスト廃材の含水量と処理量を制御できるスクリュー式水絞り機
  • すべてのアスベスト(白,青,茶)の融点1600℃を維持し,連続投入可能な電磁誘導連続溶融装置と溶融物を自然落下させ,急速水冷処理により2〜5mm程度の粒形のガラスに整形できる無害化リサイクルシステム
  • アスベスト沈降水は循環して使用するが,現場終了時には循環水中に微小のアスベストが含有しているので,そのアスベストを除去するためのスプリングと珪藻石を用いたMAXフィルターとアスベストを含有する珪藻石を無害化するために電磁誘導連続溶融装置に投入する前処理システム

 今回開発したシステムは可搬型であるため,解体工事現場でアスベスト廃材を無害化並びに再資源化でき,アスベストの環境・人体影響問題を飛躍的に改善できる可能性がある.
 今後は,既に解体され大量に保管されているアスベスト廃材をバッチ処理できる大容量システムの開発を目指すとともに,解体作業工事従事者のアスベスト曝露の防止を目的として,遠隔操作によるアスベスト無人化解体システムの開発にも取り組み始めた.



本件に関する問合せ先 原子炉工学研究所  教授  有冨正憲
TEL  
E-mail maritomi@nr.titech.ac.jp 
FAX

 
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